武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

お酒を飲みながら読むのにオススメする本(9)

投稿日:2011年2月3日 更新日:

きょうは節分です。
関西(西日本)では、鰯を食べる習慣がありますが、この本に出てくる豪勢な料理を節分で味わえれば最高なんですがね。
【美味しい肴が食べたくなる本】
『バベットの晩餐会』 イサク・ディーネセン
*ちくま文庫 1992年
本(11)
シェリーのアモンティリャードに海亀のスープ、ブリニのデミドフ風にシャンパンのブーヴ・クリコ(1860年産)。
19世紀、ノルウェーの小さな町に亡命してきたフランス人家政婦バベットが宝くじで
当てた1万フランをはたき、100歳を迎えた牧師のために真心こめて晩餐の料理を供する。
極上のフレンチ。
その描写に食欲をそそられない人はいないだろう。
寓話的な話だが、しっかり自分の世界を持っている人間の凄さをあぶり出している。
デンマークの女性作家の感性に脱帽。
死ぬまでに一度、この取り合わせを味わってみたいと思っているのだが……。

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。