武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

お酒を飲みながら読むのにオススメする本(10)

投稿日:2011年2月4日 更新日:

大相撲が揺れに揺れています。
これまで何度も八百長疑惑が浮上してきましたが、今回は現役力士が八百長に加担したことがわかり、もはや絶体絶命のピンチ。
ガチンコ勝負の面白さを味わってきただけに、期待を裏切られて、ぼく自身もかなりショックです。
精一杯頑張っている力士の無念さはいかばかりか……。
こんな嫌なことを吹き飛ばす本を紹介します。
【軽快、痛快、抱腹絶倒本】
『大阪弁おもしろ草子』 田辺聖子
*講談社現代新書 1985年
本(12)
大阪弁を流暢に操る作家は数あれど、本当に巧いなぁと唸らされるのが田辺聖子。
そのお聖さんが、単に大阪弁の知識(ウンチク?)を披露しているだけではなく、ひとつひとつの言葉にまつわる自身のエピソードや体験談、さらに古典をも紐解き、ひろく大阪の文化と風俗を浮き彫りにしている。
決して高飛車に学術的に解説しておらず、終始、軽やかな筆致で書き綴っているのがまたよろしい。
とにかく笑わされる。
面白度は抜群。
焼酎のお湯割りを片手にというシチュエーションが合いそうな本で、大阪人に生まれてつくづくよかったと思わされた。

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。