【10年後に読み返したい本】
『坂の上の雲』 司馬遼太郎
*文春文庫(1)~(8)1999年
「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」
魅惑的なフレーズで始まる著者の代表的な長編歴史小説。
近代日本の勃興期、いかに西洋と対峙すべきか、そのことに心血を注いだ明治人たちの熱き息吹を圧倒的な取材力で再現した。
前半は青春譚だが、後半は日露戦争の戦記。
騎兵を育てた秋山好古の無類の酒好きの様が妙にほほ笑ましい。
銃砲弾の飛び交う戦場で、平然と酒をあおる姿に、全くブレのない武士道精神を感じさせ、それが全編に通底している。
自信を失いかけている現代日本人に問う意味は大きい。
10年後、どんな想いで再読していることやら。
お酒を飲みながら読むのにオススメする本(2)
投稿日:2011年1月27日 更新日:
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