武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

日記

文化についてひと言~美術展『油絵の大阪』を鑑賞して

投稿日:2010年10月3日 更新日:

IMG_0867
雨雲が張り出してきた午後、大阪市立近代美術館心斎橋展示室にブラリと足を運びました。
この展示室、どこにあるのかご存知ですか。
東急ハンズの東側に建つビルの13階にあります。
あまり知られていないようで、とても残念です。
そこで『油絵の大阪~商都に生きた絵描きたち』(11月7日まで)という美術展が開催されています。
明治から大正、昭和初期に大阪で活躍した26人の画家の作品60余点をじっくり鑑賞してきました。
正直、大阪の洋画家と言えば、佐伯祐三と小出楢重くらいしか知りません。
でも、個性豊かな画家を大阪が多く輩出していたことが、きょうの展示会を観てよくわかりました。
大阪の洋画壇に貢献したのが朝日、毎日の両新聞社だったんですね。
ともに大阪で生まれ、全国紙になった新聞社です。
山内愚僊、松原三五郎。
聞いたことのない人ですが、新聞社に挿絵画家として抱えられたこの2人が、大阪の油絵の創始者だったそうです。
明治20年代のことです。
洋画の講習会も新聞社にお金を出させるなどして、マスメディアを巧みに取り込み、東京、京都とはまた違った油絵が大阪で発展していったということです。
訪れたとき、ちょうど学芸員によるミュージアムトークが始まり、そこで得た知識を今、書いているだけです。
絵画に留まらず、文学、映画、音楽、演劇、芸能などあらゆる文化について言えることですが、文化の興隆は個人(芸術家)の力ではどうにも限界があり、やはり都市力に大きく左右されると思いました。
都市が活気づかないと、文化は必ず失速してしまいます。
一見、金にならないと思われる文化ですが、目先の経済的な側面だけを見るのではなく、もっと包括的、大局的に文化を捉えていく、そんな都市がこれから生き残っていくのではないでしょうか。

-日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

教え子の鈴木信輝君が新聞の一面に~!!

教え子の鈴木信輝君が新聞の一面に~!!

「中部経済新聞の一面に私の記事が掲載されました~!!」 先ほど大学(関西大学社会学部マス・コミュニケーション学専攻)の教え子、鈴木信輝君からぼくの携帯に写真(上)付きでメールが届きました。 彼は200 …

アイルランド・フェスティバルin大阪2013

アイルランド・フェスティバルin大阪2013

今日は、新梅田シティで開催中のアイルランド・フェスティバルin大阪201   ギネス、アイリッシュ・ウイスキー、アイルランドの物産、ケルト・ジュエリーなどを販売するブースが立ち並んでいました …

「好きの力」は絶大です~!!!

「好きの力」は絶大です~!!!

「大変だったことはたくさんあります。でも好きなことをやっているわけですから、それは当たり前です」(赤埼勇さん) 「好きなことを見つけて、それにチャレンジしてほしいですね。好きなことを見つければ苦労にな …

新風書房の福山さん、イベント・プロデューサーの小川さんと楽しく会食~(^_-)-☆

新風書房の福山さん、イベント・プロデューサーの小川さんと楽しく会食~(^_-)-☆

昨夜は、新風書房(大阪市天王寺区)の代表、福山琢磨さん&イベント・プロデューサー小川秀人さんと会食しました。 さる8月、福山さんが企画された近鉄百貨店上本町店での『「モノ」が語る戦争展』の目 …

Facebookに登録しました

Facebookに登録しました

アカデミー賞の作品賞は、思っていた通り、『英国王のスピーチ』でした。 主演男優賞が主演のコリン・ファース。 順当なところです。 監督賞も、この映画を撮った弱冠38歳のトム・フーパー監督でした。 イギリ …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。