大阪の“大動脈”、地下鉄御堂筋線の車内。
昼下がりとあって、それほど混み合っていません。
ぼくはつり革を軽く握りしめて立っていました。
こんなとき、よくヒューマンウォッチングをします。
眼についたのがお年寄りの姿です。
ざっと見渡すと、半分ほどがおじいさんとおばあさん。
ほんとうに超高齢化社会に突入しているんや~と実感。
もちろん、立っているご老人がちらほらと見受けられます。
ぼくのうしろの座席にドカッと腰をおろしている青年は、斜め前に腰をかがめてよろよろと立っているおばあさんの存在を知っているはずなのに、完全に無視し、携帯に夢中になっています。
席を譲るのが恥ずかしいのか、それとも断られたらカッコ悪いとでも思っているのでしょうか。それにしても……。
このおばあさんなら、絶対に断れへんと思う。80は優に超えているし、脚も悪そうだし。
他の乗客もこの異様な情景を気にしているようですが(ぼくも!!)、だれも行動に移せません。
よし、思い切って青年に声をかけてみよう!
ぼくは決心しました。
「席を譲ってあげたらどう?」
でも、このひと言を発するのは結構、勇気がいる。
すぐには言えません。
グッと腹に力を入れ、気合を入れて振り向くと、彼の隣に座っていた男性がスッと立ち上がり、おばあさんをスムーズに座らせました。
その男性はどう見ても、70代後半でした。
なんと、お年寄りがお年寄りに席を譲っている……。
哀しい日本の現実に肌寒さを覚えました。
いったいどないなってんねん、この国は~?????
信じられない光景が当たり前に……
投稿日:2010年6月17日 更新日:
執筆者:admin