大阪で初めてロケ撮影されたハリウッド映画といえば、リドリー・スコット監督の犯罪アクション『ブラック・レイン』(1989年)を思い浮かべるでしょう。
ぼくもずっとそう思っていたんですが、それより34年前にすでに大々的に大阪で撮られたハリウッド映画がありました。
それがコロムビア映画の『やさしい狼犬部隊』(1955年)。
原題は『Three Stripes in the sun』で、「日本の米軍曹」という意味です。
戦後の1949年以来、大阪に駐屯していた米陸軍第27部隊、通称「ウルフハウンド(狼犬)」部隊のオライリー軍曹を中心に、大阪市東住吉区のカトリック系児童養護施設「聖家族の家」に援助を行っていた実話を映画化した作品。
全く知らなかったので、びっくりポンでした!
その上映会が昨夜、西区新町のイサオビルで関係者だけで内々に行われ、ぼくが解説させていただきました。
軍曹と通訳の日本人女性(オライリーさんの妻がモデル)とのラブ・ロマンスが軸になっており、いささか予想を裏切られる内容でしたが(笑)、当時の道頓堀、3代目大阪駅と駅前、大阪競馬場(現在の長居競技場)、住吉大社などが活写されており、紛れもなく〈大阪映画〉でした。
軍曹役がアルド・レイ、通訳が木村三津子……、チャック・コナーズや米ドラマ『奥さまは魔女』の初代ダーリン役のディック・ヨークといった往年の俳優、それにセリフがなかったですが、16歳の中村玉緒も出ていました。
字幕付きではなかったのに、参加者の皆さん、真剣に銀幕に目を注いでいただき、ありがとうございました。
今でも狼犬部隊と児童養護施設との交流が続いています。
来年は公開70 周年、何らかの形できちんと上映できれば〜と思っています。
上映終了後の懇親会、楽しかったです!