武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

スコットランド一人旅(2024.5.26~6.6) 日記

スコットランド一人旅(6)

投稿日:

6月になりました。

前日の朝、ゲイリー&シャーリー夫婦の自宅で、2人が飼っているニワトリの卵を使った朝食をいただき、ランチ(サーモンのサンドイッチ)まで作ってもらいました。

ありがたいことです。

ゲイリーが出勤後、シャーリーが、スコットランド最古のダラス・デュー(Dallas Dhu)蒸留所とベンローマック(Benromach)蒸留所へ連れて行ってくれました。

ダラス・デューが閉鎖されているのが残念でしたが……。

スコットランドの蒸留所はキレイですね。

次の目的地は、北方のゴルスピー(Golspie)という田舎町。

フォレス駅まで送ってくれたシャーリーが駅員と交渉してくれ、割安チケットをゲット〜!

イギリスの鉄道はいろいろ特典があるんですが、よそ者にはわかりにくいので、すごく助かりました。

気遣いある親切なシャーリーも天使でした〜!

彼女と別れ、海辺に面したゴルスピーに向かったのは、ダンロビン城(Dunrobin Castle)を訪れたかったから。

無人のゴルスピー駅

13世紀に建てられ、その後、拡張され巨大な城になりました。

この城、地域の大貴族サザーランド伯爵の邸宅なんですよ。

びっくりポン〜!

手入れの行き届いた庭園では鷹狩りのアトラクションが行われていました。

ぼくが見たかったのは、博物館に展示されているピクティシュ・シンボル・ストーン(Pictish Simbol Stone)。

スコットランドの原住民ピクト人が彫った奇妙な図像の石です。

ピクト人はケルト系と考えられていますが、依然、謎めいています。

拙著『スコットランド「ケルト」の誘惑〜幻のピクト人を追って』(言視舎)で、その多くを実際に目で見て取り上げました。

しかしここのピクティッシュ・ストーンは未見だったんです。

久しぶりに実物を目にすると、興奮しますね。

一体、何のためにこんなミステリアスな図像やデザインを刻んだのか〜!?

あれこれと想像するだけで楽しくなってきます。

城を出て入場料金表を見て、愕然〜!

シニア(60歳以上)料金が表示されていたんです。

かなり割安や……。

しもた、気が付かなかった〜(涙)

これからはシニアであることを常に自覚せなアカン〜と反省した次第。

夕方、海辺のベンチに座っていると、元大学の教授っぽい初老男性から声をかけられました。

「どうしてこんな田舎町へ?」

すごくキレイな英語だったので、吃驚しました。

たどたどしい英語でここに来た目的を言うと……、

「大昔、この辺りにピクト人が多く暮らしていたのでしょう」

そして、ひと息置き、

「日本人が興味を持つのが、非常に面白い」

そう言ってニコッと笑い、去って行きました。

やっぱり、ぼくはけったいな人間なんですね〜(笑)

というわけで、終日、のんびりしていました。

刺激がなくてすんませんね(笑)

それにしても、スコットランドへ来て、まだ日本人に出会っていませんわ。

もっとも、『地球の歩き方』に載っていないところが多いので、納得していますが(笑)

-スコットランド一人旅(2024.5.26~6.6), , 日記

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。