今朝の古巣新聞社の朝刊(大阪、奈良、伊賀版など)に掲載されましたが……。
一昨日の7日、うちの嫁さん、イラストレーターの武部はつ子がいきなり黄泉の国へと旅立っていきはりました。
6月に脳コウソクの後遺症で右脚がマヒし、そのリハビリに励んでいた最中、今度は脳出血……。
何たることか~
66歳は若すぎます。
やりたいことがまだまだぎょうさんあったのに……。
2人にとって無念の極み。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
7日の午後3時15分ごろ、外出先から帰宅すると、嫁さんが応接間のフロアで倒れていました。
嘔吐しており、目が虚ろで、声をかけても反応なし。
あわてて119番をかけ、7分後に到着した救急隊員は「間違いなく、脳出血ですね」。
救急車で、済生会中津病院へ。
脳コウソクのときにお世話になった病院で、すぐさま救急部に搬送されました。
午後4時半ごろ、脳神経外科の主治医だった後藤先生が厳しい顔つきで説明に来られました。
「出血がひどくて、手の施しようがありません……」
「えっ、助からないんですか!?」
「……、その可能性はほとんどありません」
ガーーーーン!!!!!
そのあと、嫁さんが横たわっているベッドサイドへ向かい、手を握り、励ましました。
「はっちゃん、頑張れ! はっちゃん、頑張れ!」
その声もむなしく、心脈拍の棒線グラフが平らになり、「0」が表示されました。
映画やドラマでよく見る光景ですが、それを今、自分が実体験しているなんて……。
救急の担当医が心臓に検診器を当てました。
「午後4時43分、ご臨終です」
意識がないので、しんどかったのか、痛かったのかはわかりませんが、線香の火が消えていくような感じで、死を迎えました。
ホンマにあっという間の出来事で、親族に連絡する時間すらなかったです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なぜ、脳出血を起こしたのか??
その日の午前中、ぼくのホームドクターのクリニックで、嫁さんと一緒に新型コロナのワクチン(5回目)を接種しました。
帰宅後、ランチを取ったあと、彼女が「ちょっと眠たなったわ」と。
副反応で発熱したのかなと、体温を測ると、37度1分でした。
まぁ、どうってことないですね。
そのままソファに腰をかけ、年賀状の宛名書きを始めたら、すぐにテーブルにしなだれてウトウトと……。
ぼくは3メートル離れたパソコンに向かっていると、突然、ドスーンと音が!
振り返ったら、嫁さん、テーブルから頭がずれてソファから転落していました。
「痛っ!」
あわてて駆けつけ、顔を見ると、顎の辺りが赤くなっていて、床に強打していたのがわかりました。
「大丈夫か?」
「うん。落ちてもうたわ、ハハハ」
両脇を抱えてソファに寝かせ、ぼくは「試写に行ってくるわ」と外出しました。
12時20分でした。
その外出が失敗でした。
死亡診断書を見ると、出血は死亡時刻の約4時間前となっています。
つまり、12時半ごろです。
ソファからの転落で頭を強打した時、おそらく脳の中で出血が起きていたのでしょう。
彼女は脳コウソクを発症して以来、血液をサラサラにする薬を服用していて、何かモノに当たると、すぐ内出血を起こしていましたから。
その基本的なことを、ぼくはすっかり失念していました。
残念無念……。
これは自責の念にかられますね。
さかのぼって、ワクチンを接種しなかったら、嫁さんはおそらく眠くならず、こんな最悪の事態が生じなかったと思います。
悔いが残ってしゃない。
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ともあれ、突然のことで、なかなか事態を呑み込めず、今だに放心状態です。
当日の夜、はつ子のいない自宅で独りぼっちでウイスキーを飲んでいると、とめどもなく涙が溢れ出ました。
この一連の出来事が現実に起きたことで、嫁さんがもう二度と帰ってこないとわかったからです。
これまでに体験したことのない、人生最大級のキツさ。
これからが試練、正念場ですね。
はっちゃん、勝手に先に逝ってしもうて……、アホなやっちゃなぁ。
一緒に居酒屋巡りがでけへんがな。
まぁ、あちらの世界で思う存分、絵を描きまくり、大好きな水泳を楽しみなはれ。
自分のこと以上に、いつもぼくのことを按じ、サポートをしてくれて、ホンマに、ホンマに、ホンマに、ありがとさんでした