武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画 講演・トークショー

京都おもちゃ映画ミュージアムの7周年記念の特別企画、めちゃめちゃ盛り上がりました!!

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映画をこよなく愛する人たちの集いの場であり、発信の場でもある「京都おもちゃ映画ミュージアム」。

昨日、開設7周年記念の特別企画『日本に映画を持ち込んだ男たち~荒木和一、稲畑勝太郎、河浦謙一~』が開かれました。

言い出しっぺは、館長の奥さん、太田文代さんです。

よくぞ企画してくれはりました!

このタイトル、拙著『フェイドアウト 日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一』(幻戯書房)から取られ、何だか恐縮しています(笑)。

一応、出版記念も兼ねているようです。

米エジソン社のヴァイタスコープを個人輸入した荒木和一さんをぼくが、仏リュミエール社のシネマトグラフを導入した稲畑勝太郎さんを長谷憲一郎さん(駿河台大学教授)が、そして別ルートでシネマトグラフを購入し、映画商社へと成長を遂げた河浦謙一さんを入江良郎さん(国立映画アーカイブ主任研究員)がそれぞれトーク(解説)。

ぼくは、自分が関わった歴史的な人物を呼び捨てするのが、何となくイヤなんで、「さん」付けにしています。

武部、長谷、入江……、〈最強コンビ〉です~(^_-)-☆

ホンマかいな(笑)。

長谷、入江ご両人はアカデミック人間で、ぼくだけが1人浮き上がっているみたいですが、そんなこと全く気にしてませんわ。

1人20分という持ち時間だったのに、3人とも30分ほど熱弁し、かなり時間がオーバーしました。

情報量が多いので、やっぱり20分では無理でしたね(笑)

ぼくはエジソンが和一さんへ送った手紙、エジソン社の代理店(プレスコット社)の手紙など、これまで公表しなかった資料を披露し、荒木和一という人物を紹介させてもらいました。

休憩をはさんで、次は上映会。

ぼくは、和一さんが動いている映像を流しました。

和一さんのひ孫の井上聡一さんと、孫の入交信子さんから提供されたフィルムを館長の太田米男さんがデジタル化され、そのダイジェスト版です。

後者の映像は荒木家のホームムービーで、これが初公開~!

長谷さんは、稲畑勝太郎から映画事業を受け継いだ横田永之助の妻の葬儀を撮った映像、入江さんは、河浦謙一が興した吉澤商店の作品『桜田門外の変』を上映しはりました。

そして、このあと3人で鼎談。

かなり細部について熱っぽく語り合いました。

いちいち書けないので、内容は割愛――(笑)

ぼくは、なぜか記者根性が出てきて、お2人に質問ばかりしていました(笑)。

今や映画史研究の「同志」ともいえる本地陽彦さんの締めの言葉が最高でした!

「今日、ここに来られた方は映画史研究の節目の目撃者です!」(確かこんなことを言うてはりました)。

会場は、断る人が出たほど満員御礼でした。

ありがとうございました!

フィルム提供者の井上聡一さん、稲畑産業広報部長の橋本さん、河浦謙一の親族……と、映画黎明期に活躍した3人にゆかりのある人たちが参集していただいたことがとてもうれしかったです。

参加者は、映画史研究者、映画愛好者、常連の人……と多彩な人たちで熱気ムンムンでした。

大阪・南船場で映画製作に取り組んでいる女優の月山ゆりさんと辻真由佳さんも参加してくれ、「いい勉強になりました!」と。

イベント終了後、近くの居酒屋で盛大に打ち上げ!!

よぉ、飲んで、よぉ喋りました。

「同志」の大牟田聡さん(MBS)も来てくれはり、実に愉快なひと時を過ごせました。

呑み助の3人(ぼく、入江さん、本地さん)はまだ飲み足らず、タクシーでhayasakaba(間之町通り御池上る)へ向かい、大人の会話を楽しみました(笑)。

どんな会話や!

酔いが回るにつれ、大阪へ帰るのが邪魔くさくなってきたので、京都駅前のアパホテルに宿泊。

そんなこんなで、めちゃめちゃ充実した日曜日になりました。

そして翌朝、大阪へ戻り、古巣新聞社の紙面を見開くと、大阪版にドカーンと出ていました!

流れがよろします(笑)

-映画, 講演・トークショー

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。