8月になると、「戦争」関連のイベントや映画、ドラマが目立ってきますね。
あの戦争を風化させないためには、せめてこの時期だけでもリフレインするのはいいことだと思います。
そんな中、巨匠・小林正樹監督の渾身のドキュメンタリー大作『東京裁判』が36年ぶりに4Kデジタルリマスター版として甦ります。
3日から全国順次公開です。
日本を戦争へと導いたとされる28人のA級戦犯(国家指導者)を裁く極東国際軍事裁判。
勝者による不公平裁判、天皇の戦争責任、米ソ冷戦、判事団の亀裂、初めから結果ありきの裁判……。
いろんな問題を抱えた法廷の全貌を、満州事変から敗戦までの流れを絡めて見事に浮き彫りにしています。
わかりやすい!
これはまぎれもなく、激動の昭和史の〈記録〉ですね。
画像と声が驚くほど鮮明で、被告人、判事、検察官、弁護士、傍聴人らの表情や玉音放送(詔勅)の内容がよくわかり、1983年に観たオリジナル映像よりもはるかに胸に響きました。
4時間37分の上映時間を忘れさせるほど濃密な映像です。
〈日本の節目〉となったこの裁判、今こそ観ておくべき時だと思います。
とくに若い人たちに!!
蛇足……、この映画には「終」の表記がありません。
なぜなら、まだ世界各地で戦争・紛争が起きているからです(小林監督の想い)……。
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