武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

鈴木晰也さん、安らかに~

投稿日:2011年1月18日 更新日:

鈴木さん(1)
『青嵐』
「青葉を吹きわたる風」を意味するこんな題字の可愛い御本が届きました。
日本を代表する映画プロデューサーで、大映京都撮影所の所長をされておられた鈴木晰也(あきなり)さんの追悼・遺稿集です。
鈴木さんは昨年1月26日、脳梗塞でお亡くなりになられました。
享年92。
追悼・遺稿集は奥様から送られてきました。
ぼくは、読売文化部で映画記者をしていたときと新聞社を辞めてからの2度、京都・御室のご自宅に鈴木さんを訪ね、取材させてもらいました。
本当に映画の生き字引みたいな方で、ぼくの知らない日本映画界の細部にわたってよどみなく話されておられました。
とてもダンディーなお人でした。
下の写真の右にいる女優は藤村志保さんです。
鈴木さん(2)
ハリウッドの大スター、ジョン・ウェインが撮影所に訪れたときに一緒に撮った写真も追悼・遺稿集に載っていました。
鈴木さん(3)
今では、大映といってもピンとこない人が多くなりましたが、ぼくの幼かったころは『眠狂四郎』の市川雷蔵、『座頭市』の勝新太郎、『犬シリーズ』の田宮二郎らが銀幕狭しと大活躍していました。
鈴木さんは『夜の河』『炎上』『ぼんち』『破戒』『雁の寺』『大魔神』など大映の代表作に携わっておられました。
みな懐かしいです……。
「大阪の映画の本を出しはったんやね。類書はなかったはず。いい仕事をしはったね」
2度目の訪問時、鈴木さんから戴いたお言葉は一生、忘れません。
天国からのんびり映画を観続けてください。

-映画

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

心に染み入る映画~『愛、アムール』

心に染み入る映画~『愛、アムール』

今年のアカデミー賞の外国語映画賞を受賞した珠玉の作品です。   フランス語でありながら、作品賞(英語の作品)にもノミネートされていました。   テアトルシネマグループ(テアトル梅田 …

キレて一線を越えれば、こうなる~『人生スイッチ』

キレて一線を越えれば、こうなる~『人生スイッチ』

毒舌コメディー~(*_*;   こんなジャンルがあれば、このアルゼンチン・スペイン合作映画『人生スイッチ』(7月25日公開)はその最たるもの。 歯車の狂った人たちの哀しくも面白い6つのエピソ …

リアルさを追求した異色スパイ映画~『裏切りのサーカス』

リアルさを追求した異色スパイ映画~『裏切りのサーカス』

めちゃめちゃ渋い映画が、きょうから公開されています。 『裏切りのサーカス』      ☆     ☆     ☆     ☆     ☆ 単なるスパイ映画ではない。 諜報員の実像に肉迫する。 娯楽色と …

映画の地を訪ねて(2) 東京・小石川植物園~『赤ひげ』

映画の地を訪ねて(2) 東京・小石川植物園~『赤ひげ』

  都心のど真ん中にこんな閑寂な空間が広がっているとは……。 小石川植物園(東京都文京区)に足を踏み入れた瞬間、普通の公園とは全く違った緑一色の清澄な空気に包まれ、思わず深呼吸をしてしまった。 正式名 …

意味深なタイトルの家族映画~『ハッピーエンド』

意味深なタイトルの家族映画~『ハッピーエンド』

心がざわめく問題作を撮り続けるオーストリアの名匠ミヒャエル・ハネケ監督。 老夫婦の物語『愛、アムール』(2012年)から5年ぶりの新作はブルジョワ家庭に焦点を当て、家族の軋みをあぶり出した。 冒頭から …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。