『青嵐』
「青葉を吹きわたる風」を意味するこんな題字の可愛い御本が届きました。
日本を代表する映画プロデューサーで、大映京都撮影所の所長をされておられた鈴木晰也(あきなり)さんの追悼・遺稿集です。
鈴木さんは昨年1月26日、脳梗塞でお亡くなりになられました。
享年92。
追悼・遺稿集は奥様から送られてきました。
ぼくは、読売文化部で映画記者をしていたときと新聞社を辞めてからの2度、京都・御室のご自宅に鈴木さんを訪ね、取材させてもらいました。
本当に映画の生き字引みたいな方で、ぼくの知らない日本映画界の細部にわたってよどみなく話されておられました。
とてもダンディーなお人でした。
下の写真の右にいる女優は藤村志保さんです。
ハリウッドの大スター、ジョン・ウェインが撮影所に訪れたときに一緒に撮った写真も追悼・遺稿集に載っていました。
今では、大映といってもピンとこない人が多くなりましたが、ぼくの幼かったころは『眠狂四郎』の市川雷蔵、『座頭市』の勝新太郎、『犬シリーズ』の田宮二郎らが銀幕狭しと大活躍していました。
鈴木さんは『夜の河』『炎上』『ぼんち』『破戒』『雁の寺』『大魔神』など大映の代表作に携わっておられました。
みな懐かしいです……。
「大阪の映画の本を出しはったんやね。類書はなかったはず。いい仕事をしはったね」
2度目の訪問時、鈴木さんから戴いたお言葉は一生、忘れません。
天国からのんびり映画を観続けてください。
鈴木晰也さん、安らかに~
投稿日:2011年1月18日 更新日:
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