武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

フランス映画『100歳の少年と12通の手紙』~善意のウソはいい?

投稿日:2010年11月2日 更新日:

関西発!! 映画ファンのための感動フリーペーパー。
新作映画をズラリと紹介する『CINE REFLET』(シネルフレ)の秋の特別号が発行されました。
映画館に置いてあるそうですので、遠慮なくピックアップしてださいね。
ぼくはジョン・レノンの青春譚『ノーウェアボーイ』(英)と一風変わったファンタジー映画『100歳の少年と12通の手紙』(仏)を書きました。
ここでは後者の原稿を載せます。
     ☆     ☆     ☆    ☆     ☆
100歳少年
© 2008 Pan-Européenne–Studiocanal–Oscar Films–TF1 Films Production–Cinémaginaire–RTBF (Belgian Telecision)
正直、難病モノは苦手。
ましてや子供が余命幾ばくもないとなると、もうお手上げだ。
なのにこの映画は最後まで楽しく観ることができた。
白血病と闘う10歳のオスカー少年と彼の話し相手になったデリバリーのピザ屋の中年女性との絡みが絶妙だったから。
ユーモラスな空気で包み込んだ作風も穏やかな風がそよいでいるようで、気持ちが安らいだ。
このおばちゃん、ケバくて、ガラが悪い。
心がささくれ立っている。
しかもよくウソをつく。
1日を10年間と考え、毎日、神様に手紙を書くといいと少年に勧め、自分は百戦錬磨の女性プロレスラーだったと自慢する。
でも善意のウソだから許せる。
それがオスカーの生きる拠り所となる。
プロレスのシーンが劇画っぽくて、たまらなくおかしかった。
4日目。つまり少年が40歳を迎えた日。
自分の愚かな行為を反省し、「男は魔が差します」と手紙にしたためた。
思わずドキッとした。
★監督・脚本 エリック=エマニュエル・シュミット
 出演 ミシェル・ラロック、アミール、アミラ・カサール
 (1時間45分)
☆11月13日~大阪・シネ・リーブル梅田で公開

-映画

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

本日公開のデンマーク映画『ぼくの家族と祖国の戦争』……

本日公開のデンマーク映画『ぼくの家族と祖国の戦争』……

この時期、「戦争秘話」を題材にした映画、テレビドラマ、ドキュメンタリーが目につきますが、今日から公開のデンマーク映画『ぼくの家族と祖国の戦争』もその1つです。 第2次世界大戦のナチス・ドイツ敗北直前、 …

映画の地を訪ねて(7)~熱海温泉 『東京物語』

映画の地を訪ねて(7)~熱海温泉 『東京物語』

『東京物語』……。 日本映画史上、さん然と輝く名作。 ぼくの大好きな映画です。 本作のロケ地のひとつが熱海温泉でした。 そこを訪れたときのことをエッセー風に綴っています。      ☆     ☆   …

苦難の時代を生き抜いた反骨の脚本家~『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

苦難の時代を生き抜いた反骨の脚本家~『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

『ローマの休日』『パピヨン』『ジョニーは戦場へ行った』『ダラスの熱い日』…………。 ハリウッドで数々の名作を書いた稀代の脚本家、ダルトン・トランボの生きざまに迫ったアメリカ映画『トランボ ハリウッドに …

映画パブリシスト、岸野令子さんの新刊『ニチボーとケンチャナヨ』が出版されました!

映画パブリシスト、岸野令子さんの新刊『ニチボーとケンチャナヨ』が出版されました!

関西の映画界でこの人を知らないとモグリと言われている女性がいます(笑)。 岸野令子さん。 映画の配給・宣伝会社「キノ・キネマ」の代表で、ベテランの映画パブリシストです。 ぼくが映画に没頭していた学生時 …

リーガロイヤルホテル公開講座~『文化の香り漂うヨーロッパ映画』

リーガロイヤルホテル公開講座~『文化の香り漂うヨーロッパ映画』

大阪・中之島、リーガロイヤルホテルの公開講座『シネマへの誘い~映画を10倍楽しむ』の5回目は『文化の香り漂うヨーロッパ映画』。 22日(水)の午後1時30分~3時。 作風、演出、ストーリー展開などハリ …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。