旅の3日目は穏やか日曜日で、水上メトロ(公営の渡船)とリクシャーを利用し、島巡りを満喫しました。
ちょっと違和感を覚えたのは騒音です。
ホテルのフロントマンに訊くと、コチ(コーチン)市の一部の区域で選挙(市会議員の補選?)の投票があったみたい。
なるほど、公民館に入っていく住民を見たのは投票やったんや!

インド南西部のケララ州はLDFという左翼民主戦線の基盤で、州の首相も議会も押さえているようです。
LDFをグーグルで調べたら、何とインド共産党マルクス主義派の左翼政党でした。
えっ、マルクス主義!!




学生運動が盛んだった昭和のあの頃によく耳にした懐かしい言葉……、日本ではもはや死語になっていますね。
産業の近代化、インフラ開発、教育・医療・福祉の向上を目指しており、それが功を奏したのか、他のインドの州に比べて町並みがはるかにクリーンで、あか抜けています。
道路もほぼ舗装されているみたい。
だから、埃っぽくないんですね。
インドの象徴的な牛(野良牛)を見かけないのもそうなのかな。
代わりに野良ヤギをちょくちょく見かけましたが〜(笑)



ひと言で言えば、あまりインドっぽくないです。
識字率もほぼ100%で、教育水準が非常に高く、インドの宇宙・航空産業を担っているとか。
まさに優等生です!
街を歩くと、社会主義のシンボルマーク「鎌と槌(ハンマー)」がやたらと目立ち、リクシャーをチャーターした街宣活動も目にしました。

数人にイラン戦争について訊くと、みなトランプの批判ばかり。
「トランプは民主主義の敵やわ」
「あの男、自滅しまっせ」
「石油目当ての侵略戦争ですがな」……。
反米感情がめちゃめちゃ強そう。
グーグルで、日本語とマラヤーラム語(ケララ州の主要言語)の翻訳ができるので、便利この上ない。
いやぁ~、なかなかオモロイ土地柄ですわ。
☆ ☆ ☆ ☆
この日、フォート・コーチンの船着き場である家族と出会えました。
待合室で座っていたら、隣の中年男性からわかりやすい英語で声をかけられたんです。

「ひょっとしたら、日本の方ですか?」
「はい、そうですよ。何でわかってんですか?」
「若い時、福岡で働いてましたから」
このあと4人の息子さんを紹介してくれはりました。

上の2人が社会人で、父親が経営する香辛料の会社を手伝っているそう。
下の2人は共に電子工学を専攻している大学生。
向こうの席に奥さんと1人の可愛い娘さんが座っていました。
つまり5人の子のパパさん。
この日、近郊の町から家族そろって遊びに来たとか。
息子さんたちから日本のアニメ事情について質問攻めに遭い、拙い英語で必死になって受け答えしていたんですが、そのうち次男の子が何やら小型の翻訳機を取り出し、現地のマラヤーラム語と日本語でスムーズにやり取りできました。
えらい時代になったもんです。
インドの公用語はヒンドゥー語と英語ですが、ヒンドゥー語は北部で話されており、南部では州の言葉が日常語です。
ケララ州ではマラヤーラム語。
街の表記は、たいがい一番上がマラヤーラム語、その下がヒンドゥー語、一番下が英語になっています。


「インドはすごく発展してきてるね」
ぼくがそう言うと、4人はリップサービスを添えて次々とこんな言葉を。
「もっと国を発展させたいです」
「日本のように豊かな国を目指してます」
「しっかり勉強して国のために尽くしたい」
「アニメを日本語で見たいので、日本語を学ぼうかな」
彼らから迸るエネルギーがビンビン伝わってきました。
この国の若者はホンマ、熱意があります。
インドはこれからますます伸びていくなぁ〜と改めて実感した次第。
別れ際、浮世絵の絵葉書をプレゼントしたら、長男が「お返しにこれ。ぼくもビートルズ好きですねん」。
見ると、「アビーロード」のジャケット写真でした。

ぼくがビートルズ帽を被っているのを見たからでしょう。
最後に、翻訳機を使ってパパさんに「ええ息子さんばかりで、幸せですね」と伝えました。
すると、「すべてアッラーの思し召しです」。
イスラム教徒のご家族やったんや。
受け取った名刺を見たら、ムハンマドさん。
心がほっこりしました。
☆ ☆ ☆ ☆
この日は昼下がりから気温がどんどん上昇し、無性に冷えた白ワインが欲しくなり、夕方、昨夜訪れたホテルのバーを再訪しました。
食券売り場で、白ワインをオーダーしたら、「ワインはポートワインしかありませんねん」。
えっ、何でよりによってポートワインやねん!?
インド人は甘いもの好きやからかな……。
仕方なく缶ビールで我慢しました。
フロアにも4人の店員さんがおり、代わる代わる「もう1杯、どう?」と聞きに来るので、ゆっくり飲んでられまへんがな〜(汗)