詩人の杉山平一さんがお亡くなりになられました。
97歳。
関西詩壇の最長老です。
詩の世界だけでなく、映画にも深い愛情を注がれ、いつも凛とした表情で試写室に座っておられました。
ぼくが映画記者をしていたころに杉山さんとご縁ができ、映画や文学、交友のあった織田作之助のことなどいろんなお話をさせていただきました。
同人としてぼくが入っていた映画研究誌『FB』では、編集委員をされ、鋭い観察力で映画に斬り込んでおられました。
感性が若い!
実に温厚な方。
そしてダンディー。
若かりしころはかなりのイケメンだったにちがいありません。
杉山さんみたいにカッコよく齢を重ねたい。
それがぼくの目標です。
拙著『ぜんぶ大阪の映画やねん』(2000年)を上梓したとき、「今までにないご本。大阪の映画文化にとって大きな刺激になります」と過分の評価をいただき、感涙したのが忘れられません。
現代詩文庫の『杉山平一詩集』を手に取りました。
その中からぼくの好きな詩を一編。
『いま』
もう おそい
いつも
そう 思った
いまから思うと
おそくはなかったのに
まだ 早い
いつも そう思った
そうして いつも
のりおくれた
大事なのは いまだ
やっと 気がついた
もう おそい
か
杉山さん、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
安らかにお眠りください。
杉山平一さん、ご冥福をお祈り申し上げます
投稿日:2012年5月20日 更新日:
執筆者:admin