大阪の天六(天神橋筋六丁目)から映画・映像文化を発信してきたシネマパブ「ワイルドバンチ」が昨日(2月13日)でもって、とりあえずピリオドを打ちました。
入居しているビルが老朽化のため、取り壊しになるためです。
ただ、移転費用、書籍・洋酒類などの所有物の保管は大家会社が負担してくれはるそうで、1年以内に移転先を考えるとか。
だから、「とりあえずピリオド」なんです。
ワイルドバンチそのものは2005年に産声を上げました。
映画館の館主を務めた超映画大好き人間の初代店主、庄内斉さんが映画関係の蔵書を売る古本屋+カフェとしてオープン。
コーヒーの芳しい香りに包まれた、こだわりの古本屋として注目を浴びていました。
そのうち、お酒も扱うようになり、奥のカウンターは関西の映画関係者のたまり場になっていきました。
お店に行くと、必ず知り合いがグラスを傾けていましたね。
2015年、庄内さんが67歳で黄泉の客人になられ、その後、常連客が店を引き継ぐも、2年後には閉店状態が続いていました。
そのとき名乗りを上げたのが、大阪・関西の映画情報サイト「キネプレ」主宰者の森田和幸さんでした。
森田さんは、大学の学部の後輩(かなりお若いです)で、学生時代にはアルバイトでバーテンダーをやってはったので、洋酒のことを熟知してはります。
2018年5月に新規開店するや、従来の顧客だけでなく、若い年代をどんどん取り込み、いろんなイベントを通じて、映画・映像文化を発信していきはりました。
最初のイベントが、拙著『ウイスキー アンド シネマ』Vol1&2絡みでのトークイベントでした。
「1発目はこの企画しかありません。なにせ映画とウイスキーのお店なんで」と森田さんからオファーがあったのを覚えています。
以降、テアトル梅田や塚口サンサン劇場などともタイアップし、多彩なイベントを開催してきはりました。
活動写真ピアニストの鳥飼りょうさんによる「キネピアノ」、映画業界人による裏話トーク「夜の宣伝会議」、話題の映画の掘り下げトーク、異業種の集い、落語会などなど。
どういうわけか、いつもぼくがトップバッターに指名されていました(笑)
とりわけ、イギリス映画『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』でケルト文化について解説したのが妙に懐かしいです。
先月の15日には、拙著『フェイドアウト 日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一』(幻戯書房)の刊行記念トークセッションを開催してもらいました。
コロナ禍で大変な中での3年7か月間、頻繁に文化を発信してきはりました。
素晴らしいことやと思います。
ご苦労様でした!
天六からなくなるのはホンマに忍びないですが、次はどんな場所でどんなスペースになるのか楽しみです。
最終日となった昨夜、ちょこっとお邪魔し、森田さんとスタッフのJ(平井)さんに慰労+感謝+激励をしてきました。
ワイルドバンチは永遠なれ~(^_-)-☆