映画配給会社の試写室にはいろんな人が来はります。
新聞社の映画担当記者、浜村淳さんに象徴されるタレント、放送、雑誌、ネット系の映画担当者、映画ライター、その他映画業界の関係者……。
そんな中で異色な人がいてはるんです。
坂和章平さん。
この方、弁護士さんです。
本業のかたわら、頻繁に試写室に通い、映画評論を行ってはります。
愛媛県松山生まれの70歳。
大阪大学法学部を出られて、1974年から弁護士活動を続けてはります。
ぼくの兄貴分的なお方です。
これまで約3000本の映画評論を『SHOWHEY シネマルーム』(自費出版)という本にまとめ、なんと42冊も上梓してはるのです!
ほんまにすごいと思います。
その坂和さんが、プロ意識を存分に生かし、このほど『“法廷モノ”名作映画から学ぶ生きた法律と裁判』(定価:本体2000円、発行所:ブイツーソリューション、発売元:星雲社)を出版されました。
『グリーンマイル』『インサイダー』『リンカーン弁護士』『ハンナ・アーレント』『判決、ふたつの希望』『事件』『それでもボクはやっていない』『三度目の殺人』……。
洋画、邦画の法廷モノ映画の中から、“独断”で84本をピックアップ。
それらについて、陪審員、法廷闘争、死刑制度、裁判員制度、弁護士、裁判官、検察官、共謀共同正犯、軍事法廷、有事法制、冤罪、死刑囚国情の違い、アウシュビッツ(ナチス)裁判など大所高所から切り込んでいます。
どれも非常に詳しく説明されています。
さすがプロフェッショナルです!
映画の中で法廷の場面が出ると、グッと引き締まりますよね。
そのエッセンスを坂和さんが見事にすくい上げ、法律と裁判とはなんぞやと踏み込んではるのです。
これは知的好奇心がくすぐられます~(^_-)-☆