8月 27

大阪が舞台のブラックな社会派コメディー~『後妻業の女』

後妻業の女チラシ

 

この手の映画はなぜか大阪が多い。

 

何でやねん?

 

あんまり「色メガネ」で見やんといてと言いたいけれど、これ、東京を舞台にしたら面白さが半減します~(^^;)

 

大阪やからこそ、物語が生きています!!

 

ちょっと複雑な気分です~(笑)

 

まぁ、気軽に映画エッセーに目を通してください。

 

☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

 

金持ちの高齢男性の後妻となり、資産を奪う結婚詐欺。

 

いわゆる「後妻業」にメスを入れた。

 

といっても本格的な社会派映画ではない。

 

金欲に目が眩む人物の愚かしい営みをブラックコメディー風に描き切った。

 

全編、大阪が舞台。

 Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

「武内小夜子、63歳。好きなことは読書と夜空を見上げること。私、尽くすタイプやと思います」

 

婚活パーティーで控え目に自己紹介する主人公。

 

可愛いお色気で男連中を魅了する彼女は名うての結婚詐欺師である。

 

高齢化社会、孤立化社会に咲いた〈あだ花〉……。

 

 Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

怪しげな結婚相談所の所長、柏木(豊川悦司)と共謀し、次々とターゲットを射止めていく。

 

その過程で小悪魔どころか、本物の悪魔よりも怖い冷徹な小夜子の素性が浮き彫りになる。

 

この手の役柄を演じさせれば、大竹しのぶの右に出る人はいない。

 

まさに独断場。

 

東京人ながら、大阪弁をほぼ完璧に操り、弾けんばかりのエネルギーを映像にぶつけていた。

 

大阪生まれの豊川との濃密なやり取りが事のほか面白い。

 

 Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

9番目の夫(津川雅彦)の娘、朋美(尾野真千子)が不審に思い、私立探偵(永瀬正敏)を雇って完全犯罪を続ける2人の前に立ちはだかる。

 

 Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

この探偵の胡散臭さが独特なスパイスとなり、ドラマがさらに煮えたぎる。

 

焼き肉屋での小夜子と朋美の“一騎打ち”は見ごたえ満点。

 Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会

気の強い女性同士の凄まじい喧嘩を長回しで捉え、観る者をたじろがせてしまう。

 

登場人物がみなひと癖もふた癖もあり、毒気をまき散らす。

 

決して上品な物語ではないが、とことん本音をさらけ出すところが大阪の風土とマッチしていた。

 

大阪在住の作家、黒川博行の原作を鶴橋康夫監督がシャープな演出で映画化した。

 

こんなアウトロー映画にはこってり風味がよく合う。

 

2時間8分

 

★★★★(見逃せない)

 

☆8月27日から全国東宝系でロードショー

 

(日本経済新聞夕刊に2016年8月26日に掲載。許可のない転載は禁じます)

8月 21

アイルランドの幻想的なアニメ映画~『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』 (27日公開)

アイルランドの素晴らしいアニメです。

全大阪映画サークル協議会の会報「大阪映画サークル」に寄稿した映画エッセーの全文をご紹介します。

長文ですが……(^^;)

☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

スタジオ・ジブリやディズニーの話題作は一応、観ているけれど、俳優が関与(演技)しないアニメは映画として範疇外(別物)のようにとらえており、正直、それほど興味の対象にならなかった。

ところが『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は心にビンビン響いた。

ぼくの大好きな国のひとつ、アイルランドを読み解く〈情報〉がわんさと詰め込まれているから。

それは政治や経済ではなく、文化的な要素だ。

本当に何もかもすべてがアイルランド一色のアニメ映画だった。

 ©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

ぼくはライフワークにしている「ケルト」の取材でこれまで何度もアイルランドを訪れた。

古代、強大なローマ帝国の支配を受けず、ヨーロッパ大陸から受け継いだとされる「ケルト」文化を独自に育み、さらに中世になってキリスト教の文化・価値観をそれに融合させた。

お隣のイングランド(のちの大英帝国)に制圧された近世以降、その「ケルト」を前面に打ち出して民族意識を高め、英国からの独立の精神的支柱としてきた。
そんな歴史的ないきさつから、アイルランドはヨーロッパの中でもかなり独特な空気を放っている。

昨今、その独特な空気を観光の目玉に据えて「ケルトの国」と標榜し、世界各地から観光客を呼び込んでいる。

しかし「ケルト」の本流はあくまでもヨーロッパ大陸にある。

古代、ローマ帝国によって「ケルト」は大陸から消え失せた(吸収された)ものの、今でもドイツやフランスなどにはケルト関係の博物館が点在している。

ところが、アイルランドやスコットランドは本流ではないため(考古学的には異端?)、国内に「ケルト」と銘打った博物館が存在していない。

そんな奇妙な状況になっている。

それでもアイルランドには土着信仰と結びつき、ミステリアスな民話、伝説、神話が息づいている。

今日、それらはケルト民話、ケルト伝説、ケルト神話と呼ばれている。

実際は中世、修道院で編まれた説話群のことだが、19世紀後半から「ケルト」の名称が作為的に使われ始めた。

そしてノーベル文学賞を受賞した詩人・劇作家のウィリアム・バトラー・イェーツ(1865~1939)がアイルランド各地の伝承をまとめた書物に「ケルト」の冠を授けたことでその名が定着した。

とりわけ妖精が登場する物語がやたらと多い。

その中でポピュラーなのがセルキーである。

人間に姿を変えることのできるアザラシで、民間伝承に見られる神話上の生き物、つまり一種の妖精と考えられている。

陸に上がるときは皮を脱いで人間に変身するので、日本での「羽衣伝説」と似通っている。

セルキー伝説はアイルランドよりも、むしろ英国・スコットランドの西部と北部の海岸部や諸島に数多く残っている。

実際、その辺りはアザラシの一大生息地。

海岸を歩いていたら、アザラシが海面からぴょこんと首を出し、興味津々着いてくる。

何とも愛嬌があり、「あれはセルキーに違いない」と思ったりしてしまう。

日本の水族館で飼われているアザラシからは、セルキーらしさがちっとも感じられないけれど。

そのセルキーの物語をアニメ化したのが本作なのである。

そう言えば、セルキー伝説を実写で撮った映画があった。

アメリカのジョン・セイルズ監督の『フィオナの海』(1994)。

アイルランド北西部の小島が舞台で、母親が病死した時、幼い弟が波にさらわれる。

後日、弟がアザラシと一緒に泳いでいたという目撃があり、姉のフィオナが弟を捜すために奔走する。

原題は『The Secret of Roan Inish(ローン・イニッシュの秘密)』。

「ローン・イニッシュ」とは「アザラシの島」のこと。

このようにセルキー伝説には、大抵、家族や親しい人がいなくなるという喪失感を伴う。

 ©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

さて、ここから本作について述べる。

アイルランド北西部ドネゴール州と思われる僻地の村の沖合に小さな島が浮かんでいる。

どうやらアラン・モア(アラン諸島)の小島をモデルにしているようだ。

ケルト音楽を世界に広めたエンヤの故郷がその辺り。

楚々とした景色と澄みきった空気。

地の果てをイメージさせる。

ケルト語の一種、アイルランド語(ゲール語)が日常的に話されている「ゲールタハト」と呼ばれている地域でもある。

その島の切り立った崖の上に灯台がある。

何だか「モハーの断崖」みたい。

そこで灯台守の父親コナー、子どもを身ごもっている優しい母親ブロナー、ひとり息子のベンが幸せに暮らしている。

人物の顔と絵のタッチ、佇まいがどことなく日本のアニメ風なので、驚かされる。

アイルランド人のトム・ムーア監督は日本のアニメファンで、ジブリの『となりのトトロ』が大好きだという。

そのためこういう画風になったのだろう。

母親が女の子を産んだとき、海へ消えてしまった。

彼女はセルキーだったのだ。

子どもと引き換えにアザラシに戻った……。

父親とベンはまさかブロナーがセルキーだとは知らず、傷心の想いに浸る。

とくにベンは、生まれてきたシアーシャが母親を死なせた張本人だと思い込み、何かにつけて妹を邪険にする。

それでも健気に兄に寄り添おうとするシアーシャがとてもいじらしく、愛らしい。

シアーシャの誕生日が母親の命日でもある。

それがハロウィーンの前日(10月30日)だ。

その日、都会(おそらくダブリン)に暮らす厳格な祖母が孫の誕生を祝いに島にやって来る。

祖母は「こんな不便な場所では子育てはできない。しかも男やもめで」と翌日、ベンとシアーシャを引き取り、都会へ連れて行く。

それが10月31日、ハロウィーンの当日である。

この映画でもお化けの仮面をつけた子供たちがはしゃいでいる光景が描かれていた。

古代・中世のアイルランドの暦(いわゆるケルト暦)では、この日が大晦日。

翌日の11月1日から新年が始まる。

10月31日、夜の帳が下りると、異界(彼岸=あの世)から妖精、魔女、巨人、幽鬼など超自然的な生き物がこの世に現れ、翌朝の日の出とともにスーッと異界に戻っていく。

人間たちは恐ろしいクリーチャーの目を欺くため、同じような格好をするようになった。

それがハロウィーンの祭りの起源だ。

ドラマの本筋はすべてハロウィーンの夜に起きる。

だから幼い兄と妹は、ディーナシーと呼ばれる妖精やフクロウの魔女マカらと出会ったのである。

そもそも妖精とは何なのか。

アイルランドの国造り伝説によると…………。

魔力を持つ種族が次々とアイルランド島に渡来し、そのつど建国していったが、病気や争いによって長続きしなかった。

そして国に平和をもたらしたのが厚い雲に乗って飛来したダーナ神族。

彼らは言わば、「やおよろずの神々」で、みな巨人である。

その後、人間のゲール人(ゲール語を話す人)がやって来て、ダーナ神族を崇めていた。

しかしキリスト教が広まり(歴史的には432年)、彼らの居場所がなくなってきた。

体もだんだん小さくなり、やがてこの世から消え去ってしまった。

そして「ティル・ナ・ノーグ(常若の国)」という国で住み始めた。

それが妖精である。

つまりかつての神様の成れの果ての姿ともいえる。

「ティル・ナ・ノーグ」は異界そのものであり、西の海のかなたか地下深くにあるとされている。

ハロィーンの夜になると、妖精たちが大挙してこの世に出てくるが、普段でも時折、ひょっこり姿を現し、人間を驚かせることがある。

そんな妖精の存在を科学的に説明できないのはわかっていながら、アイルランドの人たちは全く否定していない。

何という豊かな精神性!!

だからこそこんなファンタジー映画が生まれるのだろう。

妖精と言えば、ピーターパンに出てくるティンカ・ベルのような可愛い女の子を思い浮かべるが、アイルランドの妖精は概して、「おっちゃん」が多い。

それも顔の大きなブ男。

このアニメでも風変わりな3人組が物語にコミカルな彩りを添えていた。

ハロウィーンの夜、祖母の家から抜け出したベンとシアーシャが、母親の形見の品である貝殻の笛から奏でられる不思議なメロディーに導かれ、島に帰る。

つまりひたすら西へと向かうのである。

アイルランドのケルト神話はみな「西」が重要ポイントになっている。

人間の父親とセルキーの母親から生まれたベンは父親の血を受け継ぎ、人間の属性が強い。

しかしシアーシャは限りなく母親似で、セルキーに近い。

だから海から離れた都会に来ると、当然のごとく衰弱していく。

一刻も早く西の海に戻らねばならない。

 ©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum

後半は物語がスピードアップし、だんだん活劇風になっていく。

そしてセルキー伝説に欠かせない「アザラシの皮(コート)」がキーワードとなる。

このアニメを観ていて、『白馬の伝説』(1993)という素晴らしいファンタジー映画を思い出した。

亡くなった母親が白馬(妖精)として甦り、幼い兄弟をダブリンから故郷の西海岸へと連れていく。

原題はズバリ、『Into the West(西方へ)』。

白馬の名が、前述した「ティル・ナ・ノーグ」というのも意味深だった。

『ソング・オブ・ザ・シー』と『白馬の伝説』ともに、黄泉の国(ティル・ナ・ノーグ)に召された母親が愛する子どもたちを西の海へと導く物語。

このアニメでは題名のごとく、「海のうた」が母親そのものであり、セルキーの精でもある。

脇役の愛犬クーは、アイルランドの伝説上の英雄クー・フリンからその名が取られているのだろう。

ベンとシアーシャの前に立ちふさがるフクロウの魔女マカ(マッハ)が「悪者」としてドラマを盛り上げる。

マカは戦いの女神。

その魔力は強烈で、邪魔する妖精を片っ端から石に変えていく。

それに勝てるのはセルキーの歌しかない。

恐ろしいマカにも秘密がある。

灯台の島の向こうに浮かぶ孤島が、実はマカの息子マクリルという巨人が哀しみのあまり石にされたものだとわかる。

こういう奇抜な発想もたまらなく面白い。

マクリルは、海の神マナナーン・マクリールのこと。

アイルランドとイギリスとの間に浮かぶマン島を造った神様といわれており、その島の守り神でもある。

本作はトム・ムーア監督の2作目の長編アニメで、1作目は『ブレンダンとケルズの秘密』(2009)。

日本では一般公開がなかったが、ぼくは2010年の大阪ヨーロッパ映画祭で運よく観ることができた。

アイルランドの至宝ともいえるキリスト教の装飾福音書『ケルズの書』が中世に生まれたいきさつを、バイキングの来襲を絡ませて描いていた。

『ケルズの書』はダブリンのトリニティ・カレッジの図書館に展示されており、その装飾文様はケルト美術の最高峰として知られている。

ムーア監督はアイルランドの歴史と文化にとことんこだわっている。

幻想的な映像美と音楽によって、大人も楽しめるアニメに仕上げた。

本作の映像は前作よりもはるかに洗練されていた。

直線に刻みを入れたアイルランドの古代文字「オガム文字」やスコットランドの先住民ピクト人による謎めいた「ピクト文様」などもさりげなく添えられているところがニクイ。

日本人にはなじみのないアイコンやキャラクターが次々と現れ、ややこしく思えるが、話は実にシンプル。

いろんな神や妖精を登場させ、アイルランドの精神風土を散りばめながら、家族愛を描いた物語。

観ているうちに、知らぬ間に夢幻的な世界に浸っていくように仕掛けられている。

プレスシートの解説にも触れられていたが、妹の名シアーシャ(Saoirse)はアイルランド語で「自由」を意味する。

アイルランドの田舎娘がニューヨークで未来を切り開く物語『ブルックリン』(上映中*確認してください)の主演俳優、シアーシャ・ローナンも同じ名前とわかり、妙にうれしくなった。

8月27日(土)シネ・リーブル梅田

      以降  京都シネマ、 元町映画館 にて順次公開

8月 15

戦後71年目、真田山陸軍墓地にて

真田山陸軍墓地(大阪市天王寺区玉造本町)。

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真田山公園の北側、真田丸が築かれた大阪明星学院の東側に、5100基の墓碑が整然と並んでいます。

戦前、全国に約80か所あった陸軍墓地の中で最大のもの。

圧倒されます!

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西南戦争、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、そして太平洋戦争で亡くなった将兵の墓碑と8200人の遺骨を納めた納骨堂があります。

第一次大戦中に捕虜になったドイツ兵の墓も……。

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ルートリッヒ・クラフトと刻まれてあります。

故国から遠く離れた極東の地で静かに眠ってはるんです。

おぞましい戦争の歴史がここに凝縮されています。

先の戦争が終わって71年目。

平和の尊さを感じずにはおられません。

8月 09

心に響くフランス映画~『奇跡の教室 受け継ぐ者たち』

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ひと味違った学園モノの映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たち』が大阪では13日からテアトル梅田で公開されます。

東京では公開中。

映画ファンのための感動サイト「シネルフレ(Cinereflet)」の『武部好伸のシネマエッセイ』で、この映画についてたっぷり書かせてもらっています。

8月 05

メディアの陰の部分に迫る社会派映画~『ニュースの真相』

4月に公開された米映画「スポットライト 世紀のスクープ」と同様、ジャーナリストの素顔に迫った実話の映画化。

本作も調査報道を題材にしているが、特ダネをモノにした成功譚ではなく、それが誤報といわれた顛末を事細かに描く。

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

その題材とはブッシュ大統領が再選を目指していた2004年、CBSニュースがブッシュの軍歴詐称を決定づける文書を入手し、特報した一件。

現役大統領を脅かす事案とあって、全米で大反響を巻き起こした。

ところがそれが偽造と指摘される。

当時、「メディアの不祥事」として日本でも話題になった。

ニュース番組の裏側で何が起きていたのか。

それを興味本位ではなく、取材班の面々が取った行動に焦点を当てて再現した。

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

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敏腕の女性プロデューサー、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)が軸になる。

彼女が他の3人のメンバーを率いて、疑惑の核心に迫っていくプロセスは実にスリリング。

彼らをサポートするのがケネディ大統領暗殺を一早く伝えたことで知られるベテランのアンカーマン、ダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)。

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

鋭い観察眼と老練さが際立つ。

ヒーローから一転、糾弾される側になった取材チーム。

ここからが本筋となる。

一部の隙も許されない調査報道の難しさが徐々に浮き彫りにされる。

ジェームズ・ヴァンダー・ビルト監督の演出は終始、冷静だ。

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

© 2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved.

信念と自信を持って臨んだことが瓦解する。

そんな場合、どう対処すればいいのか。

内部調査委員会の席上でメアリーが毅然と言い放った言葉がそのヒントを与えてくれる。

独白ともいえる長ゼリフ。

ジャーナリストとしての矜持をいかんなく見せつける名場面だった。

メディアの陰の部分をえぐった社会派映画。

その点を高く評価したい。

2時間5分

★★★★(見逃せない)

☆8月5日(金)より全国ロードショー

(日本経済新聞夕刊に2016年8月5日に掲載。許可のない転載は禁じます)

7月 31

大人を観させる『シン・ゴジラ』

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昨日、『シン・ゴジラ』を劇場で観ました。

マスコミ試写がなく、いきなりの封切りでした。

よほどの自信作~と製作・配給の東宝が踏んでいたのでしょう。

観終わって、体が震えた。

これまでのゴジラ映画とは全くベクトルが異なっていたから。

政府の危機管理と想定外の災害に遭った時の対応に主眼を置いており、単なる怪獣映画ではなかった。

これまで大都会が怪獣に襲われた時、当たり前のように自衛隊が出動し、武器を行使していましたが、そこに至るまでいろんな法網があることがよくわかりました。

安保条約による米軍の支援についてもそう。

そういうリアリズムがたまらなく面白かった。

もういっぺん、観に行こう!

7月 28

亡き母親の秘密……、仏映画『ミモザの島に消えた母』&独映画『生きうつしのプリマ』

テアトルグループの「チラシ」に、ぼくの映画エッセーが載っています~(^_-)-☆

テアトル

7月 23

9月初旬、古代ケルト(ケルト=イベリア)を探りにスペインに行きます~(^_-)-☆

1995年に新聞社を辞めてから、毎年、欠かさず敢行してきた「ケルト」取材旅行。

今年は大きな仕事(「大阪の映画」の本出版)を抱えており、その取材旅行を断念せざるを得ない状況に追い込まれていましたが、何とか脱稿できたので、やっぱり行きます~(^_-)-☆

スペインの「ケルト」がぼくを呼んでいるんです~!!

厳密には土着のイベリア人とケルト人が融合したケルト=イベリアですが……。

1999年、スペイン北西部のガリシア地方を隈なく巡り、『スペイン「ケルト」紀行』(彩流社)を上梓しましたが、今回は9月初旬、首都マドリッドの北東部、褐色の大地メセタが広がる地に点在するケルト=イベリア人の古代遺跡を訪れる予定です。

古代ケルト=イベリア人の遺跡ヌマンシア

古代ケルト=イベリア人の遺跡ヌマンシア

ここ数年、ベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)、ポルトガル、フランス、ドイツと続けてきた「古代ケルトを探る旅」の最後の目的地です。

あとはそれらをまとめて1冊の本に仕上げるだけ。

『ケルト紀行シリーズ』全10巻(彩流社)とはまた違った赴きになると思います。

とにかく早く現場に行きたい!!

向こうのバルでスパニッシュ・ワインを浴びるほど飲みたい~(笑)

7月 18

苦難の時代を生き抜いた反骨の脚本家~『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

『ローマの休日』『パピヨン』『ジョニーは戦場へ行った』『ダラスの熱い日』…………。

ハリウッドで数々の名作を書いた稀代の脚本家、ダルトン・トランボの生きざまに迫ったアメリカ映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』が22日から公開されます。

トランボ

マッカーシズム(赤狩り)の嵐に耐え抜いた気骨ある映画人の素顔が浮き彫りにされています。

映画ファンのための感動サイト「シネルフレ(Cine reflet)の『武部好伸のシネマエッセー』でこの映画のことをたっぷり書かせてもらっています。

7月 13

生國魂神社(いくたまさん)の夏祭りでフィーバー~(^O^)/ 2016.7.12

昨日(7月12日)、生國魂神社(いくたまさん)の夏祭り、本宮。

本社から大阪城までご神体を運ぶ御渡巡幸(おわたり)と、夜の祭りのハイライト、枕太鼓のお練りに参加しました。

「おわたり」では、狩衣に烏帽子という「平安時代の食い倒れ太郎」みたいな感じで、「御鉾」をしっかり携え、熱暑の中、歩いていました。

枕太鼓はエキサイティングです!!

法被を羽織ると、俄然、アドレナリン濃度がアップ~!!!

あっという間に1日が過ご去った、そんな感じです。

写真をどうぞ~(^_-)-☆

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