武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

再び、『ウイスキーと2人の花嫁』〈日経掲載分〉(17日公開~)、トークショーがありますよ!

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第2次大戦中、英国スコットランドの西部海域に浮かぶアウター・ヘブリディーズ諸島の小島で、貨物船が座礁した。

積み荷は5万ケース(約26万本)のスコッチ・ウイスキー。船が沈没する。

さぁ、島民はどうしたのか!?


© whiskyGaloreMovieLimited2016

実際に起きた海難事故から8年後の1949年に映画化された。

それをスコットランド人のギリーズ・マッキノン監督がコミカル風味にアレンジし、リメイクしたのが本作である。

戦時下の統制でウイスキーの配給が停止され、呑み助の島民が動揺する。

この異常事態を「ノアの大洪水以来の惨事だ」と言わせる辺り、遊び心が充満していて笑わせる。

キーパーソンは郵便局長の2人の娘。

© WhiskyGaloreMovieLimited2016

共にフィアンセがいる。

しかし婚約パーティーではウイスキーの祝杯が不可欠。

あゝ、このままでは結婚できない。

© WhiskyGaloreMovieLimited2016

このようにウイスキーへの渇望がピークに達した時に貨物船の事故が起きる。

これぞ神の恵み。

そう受け止めた島民の一致団結ぶりがすこぶる面白い。

© WhiskyGaloreMovieLimited2016

彼らの行動に目を光らせるのがワゲット大尉。

島での嫌われ者だが、そのことに全く気づいていない能天気さが何とも可愛く、まるで道化師のように見える。

この手の映画にはこんな三枚目が必要だ。


© WhiskyGaloreMovieLimited2016

両者の攻防が物語の軸となる。

そこに英王室の極秘文書を絡ませた。

素材としては申し分ないのに、淡白に描きすぎた。

惜しい。

舞台となったエリスケイ島を訪れたことがある。

島で唯一のパブに当時のボトルが保存されていた。

店主にいくら懇願しても、飲ませてくれなかったが……。

全編を通して品性のある佇まいは英国喜劇の伝統といえよう。

© WhiskyGaloreMovieLimited2016


© WhiskyGaloreMovieLimited2016


© WhiskyGaloreMovieLimited2016

観終わってから、無性にスコッチが欲しくなる、そんな映画だった。

ちなみに銀幕に次々と映し出されるウイスキーは全てフェイク(ニセモノ)! 

1時間38分

★★★(見応えあり)

☆17日から大阪・テアトル梅田、シネ・リーブル神戸ほか全国で公開。以降、京都シネマ……。

(日本経済新聞夕刊に2018年2月16日に掲載。許可のない転載は禁じます)

初日の明日、テアトル梅田でトークショーをやります。

お気軽にどうぞ!

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。