武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

デンマーク&北ドイツ紀行(2017年9月4日~14日)

(14)デンマーク&北ドイツ~ギュンター・グラス&トーマス・マン in リューベック

投稿日:2017年9月16日 更新日:

ハンザ同盟ー-。

高校の時、世界史で習い、妙に興味を覚えました。

中世の末期(15世紀)、ドイツ国内で採れる塩(岩塩)を北欧やロシアなどバルト海諸国と取り引きし、隆盛を極めた北ドイツの都市同盟です。

数々の特権を求め、多い時には100以上の町が加盟していたとか。

その盟主として栄華を誇ったのがリューベックです。

威風堂々たるホルステン門、塩の貯蔵庫、市庁舎など、こぢんまりした旧市街のそこいらに往時を偲ばせる建物が残っています。

戦時中、街の大半が破壊されましたが、今や見事に甦っています。

路地に入ると、非常にシックな佇まい……(^_-)-☆

こうしたハンザ同盟の息吹きを感じ取るのがリューベックに来た目的なんですが、実はもう1つあるんです。

2人の作家ゆかりの地。

それがぼくを引き寄せました。

共にノーベル文学賞の受賞者です。

1人はギュンター・グラス(1927~2015年)。

ぼくにとってはドイツ映画『ブリキの太鼓』(1981年)の原作者として記憶に刻まれています。

生まれは現在のポーランドの港湾都市グダンスク(グダニスク)ですが、終いの棲みかがリューベックでした。

「ギュンター・グラス・ハウス」を訪れると、作家だけでなく、画家、彫刻家としての才能も強く認識させられます。

映画『ブリキの太鼓』の日本のポスターを目にした瞬時、懐かしさに胸が打たれました~💡😁

もう1人は、ギュンター・グラスが敬愛していたトーマス・マン(1875~1955年)。

映画愛好家なら、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』(1971年)をまず思い浮かべるでしょうね。

その原作者。

リューベックの豪商に生まれたトーマス・マンはまさにこの町が誇る文化人です。

自らの一族の4代にわたる盛衰を綴った代表的な長編小説『ブッデンブローク家の人々』の舞台になった祖父母の家が資料博物館になっています。

ぼくは学生時代、この小説を読破しようと思いながら、途中で断念。

いまだに完遂できていません。

「ブッデンブロークハウス」でマンの直筆原稿などを目にし、再度、この小説を手に取りたいと思った次第。

しばし中世と文学の世界に浸れ、すごく贅沢な時間を満喫できました。

リューベックに来てよかった~(^_-)-☆

-デンマーク&北ドイツ紀行(2017年9月4日~14日)

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

(13)デンマーク&北ドイツ~トランクが列車とともに去っていった!!

(13)デンマーク&北ドイツ~トランクが列車とともに去っていった!!

またも、えらいこっちゃ~😅❗😅 キールからローカル線の列車に揺られて1時間25分、終着駅のリューベック駅に着きました。 実は、途中からうとうとしてしまい、リューベックに …

(4)デンマーク&北ドイツ~「人魚の像」からカールスバーグ醸造所へ

(4)デンマーク&北ドイツ~「人魚の像」からカールスバーグ醸造所へ

午前中、コペンハーゲン国立博物館で念願の展示物と出会えたことで、すっかり満足してしまい、午後からは「腑抜け」状態~(笑) 完全にお上りさんになって、街の名所を観光しました。 こういうパターン、ほんまは …

(18)デンマーク&北ドイツ~ホワイト・ソーセージの缶詰をゲット、その後、ちょっとハプニング!

(18)デンマーク&北ドイツ~ホワイト・ソーセージの缶詰をゲット、その後、ちょっとハプニング!

北ドイツ・リューベックの朝。 近くのカフェでコーヒー+クロワッサンの朝食を取ってから(ホテルで食べたら、めちゃ高いです~😅)、スーパーマーケットへダッシュ~💨&#x1f …

(23)デンマーク&北ドイツ~フィヨルドに虹~(@^^)/~~~

(23)デンマーク&北ドイツ~フィヨルドに虹~(@^^)/~~~

大聖堂のあるロスキレの町はひと昔前の茅葺き屋根の家屋も残っていて、とても居心地がええです~💡😁 デンマークの田舎町は、イングランドとよく似ていると以前、リポートしました …

(12)デンマーク&北ドイツ~旧軍港キールの今

(12)デンマーク&北ドイツ~旧軍港キールの今

6日目の朝。 北ドイツの港湾都市キール(Kiel)は人口25万人にしては非常に活気があります。 現在は軍港ではなく、海運、造船業などが主な産業らしいです。 もちろん、戦時中、街は徹底的に破壊されました …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。