武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ケルト ドイツ「ケルト」紀行(2015年夏)

ドイツ「ケルト」紀行(14)

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戦後70年。

 

ドイツのテレビでは、その関連番組がいろいろ放送されています。

 

昨日は、ヒロシマ70年を記念し、ナチスドイツとアメリカとの原爆開発競争の特番がありました。

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ドイツも完成寸前までいっていたようで、ゾーッとしました。

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これまで見たことのない映像が数多く盛り込まれており、開発に携わったドイツの元技術者や広島の被爆者の声もきちんと取材していました。

 

番組のラストを彩ったのは、広島の太田川に流される灯籠の映像。

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核の恐ろしさとそれを使うことの愚かしさを訴えていました。

 

言葉は全くわからなかったけれど、胸に深く染み入りました。

 

翌日、旧西ドイツの首都ボンに来ました。

 

ベートーベンが生まれた街としても知られていますね。

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ライン州立博物館を訪れると、『ラインラントのケルト』の展示が~!!

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これはビックリした~(*_*)

 

ど真ん中のストレート。

 

ほんまにラッキーでした。

 

ラインラントにもケルトがしっかり残っていることを確認できました。

 

このあと、少し時間ができたので、ドイツ連邦共和国歴史博物館(Haus der Geschechte der BRT)を見学。

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70年前の敗戦から今日までの歩みを、米ソ冷戦による東西分断や東ドイツの社会、ベルリンの壁崩壊などに言及しながら、豊富な展示でわかりやすく解説されていました。

 

もちろん、戦災で灰塵に帰したドイツ各地の惨状も。

 

空襲だけでなく、市街戦(地上戦)も行われたので、さぞかし凄まじかったであろうことは想像するに難くありません。

 

日本は、沖縄以外では地上戦はなかったです。

 

その中で目を引いたのは、ユダヤ人に対するホロコーストや侵略戦争を遂行したナチス・ドイツによる「負の歴史」をあますことなく展示されていたことです。

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ドイツがどうのこうのと言うつもりはありませんが、自国が犯した「罪」をきちんと公の場で明るみにし、それを自国民に伝えていこうという姿勢に敬意を表したい。

 

自虐的でも何でもないです。

 

それが歴史的事実として当たり前のことだから、入館料無料で、国内外の人に見てもらっているのでしょう。

 

日本もこういう博物館なりを作ればいいと思いました。

-ケルト, ドイツ「ケルト」紀行(2015年夏)

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。