武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ポルトガル紀行(2013年夏)

ポルトガル紀行(10)

投稿日:2013年8月17日 更新日:

ポルトガル紀行(10)

翌日(7月31日)、ポルトガル航空でマデイラ島へ飛びました。

約1時間半のフライト。

マデイラ島はリスボンの南西約1000キロの大西洋に浮かぶ島です。

モロッコのカサブランカからの方がはるかに近い。

ここもポルトガル領です。

大きさは佐渡島とほぼ同じで、そこに25万人が暮らしています。

ポルトガル南部で「タルテシアンの石碑」を取材したあと、バカンスで未知なる地へ行こうとき決めていました。

今回が3度目のポルトガルなので、ほとんど行き尽くしていまして、はて、どこかないものかと思案したら、マデイラ島が浮かんできました。

離れ島とあって、なかなか行きそうにありませんから、この機会にと思って。

中心地フンシャルに宿をとり、のんびり3泊しました。

亜熱帯に属し、年中、穏やかな気候。

夏でも最高気温が28度、最低気温が18度とすごくしのぎやすいです。

ほんま、楽園です。

マデイラ島と言えば、マデイラ・ワイン。

島に到着後、ただちにマデイラ・ワインの醸造所に足を向けました。

街中にあるサン・フランシスコ酒蔵。

一昔前のマデイラ・ワインの製造法を美人のガイドさんが解説してくれました。

現在は別のところで製造しているそうです。

島には数社、マデイラ・ワインの会社がありますが、全てイギリス資本です。

ブドウが発酵中にブランデーを入れて、発酵を止めるという製造法。

スペイン・アンダルシアのシェリー、ポルトガル北部のポート、そしてマデイラが世界三大酒精強化ワインです。

その中でもマデイラが一番、甘ったるく、まるでリキュールのようにも思えます。

正直、ふだんはあまり嗜みません。

日本では飲めるところもあまりないですし。

しかし原産地で味わうと、思いのほか美味しく感じられますね。

マデイラ・ワインのドライなんて初めてでした。

そんなわけで、見学ツアーのあとの試飲では、ついつい杯を重ねてしまって。

島内にはバナナの木とともにサトウキビもいっぱい生い茂っています。

なので、ラムも製造されています。

それを使ったカクテル、モヒートを街中のカフェで味わいました。

意外とさっぱりしています。

今、世界中でモヒートが大流行なんですね。

ポルトガルに来てからも、よく口にしました。

一杯の値段が500円ほど。

ビールはグラスで260円ほど。

お酒に関しても、ポルトガルは安く飲めます。

マデイラ島では、CORALビール一辺倒です。

沖縄のオリオンビールのような感じ。

バドワイザーと似ていなくはありませんね。

ライト感覚のビールです。

潮風に当たりながらのモヒート(飲んでばっかりや!)。

日本に帰るのがイヤになってきます。

老後はマデイラ島で暮らす欧米人が多いそうです。

ぼくも検討しようかな~。

-ポルトガル紀行(2013年夏)

執筆者:


  1. マンダリン より:

    初めてお便り申し上げます。

    貴殿がもしポルトガルで一か月のんびりと過ごすとすれば、何処にしますか?2~3の候補地を挙げていただければ幸いです。

    よろしくお願い致します。

    • admin より:

      マンダリンさま
      初めまして。コメント、ありがとうございます。
      返信が遅れまして、申し訳ございません。
      ポルトガルに1か月ですか……。そんな旅をしてみたいです(笑)
      のんびりと過ごすにはやはり南部がいいですね。
      海辺のラーゴス(Lagos)、タヴィラ(Tvira)がおススメです。
      内陸部のベージャ(Beja)もいかにも田舎然としていて、心が癒されます。

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。