武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

その他 日記

仏教的な話を聴けたセント・パトリックス・デー

投稿日:2013年3月17日 更新日:

今日は、セント・パトリックス・デーでした。

 

アイルランドにキリスト教を広めた、同国の守護聖人を讃える日。

 

日本でも、各地でパレードが行われました。

 

大阪では、シンボルカラーの「緑」に身を包んだ参加者が大阪城公園を楽しく行進したそうです。

 

今日では、宗教色はほとんど関係なく、春の訪れを悦ぶイベントになっていますが、ルーツを探れば、やはりキリスト教ゆかりの行事です。

 

そんな日なのに、ぼくは夕方、大阪・池田にあるお寺、正福寺を訪れました。

 

大学の友人Sさんが住職を務めている浄土真宗(本願寺派)のお寺です。

 

その寺に隣接する「ナムのひろば文化会館」で、日本を代表する宗教学者・思想家の山折哲雄氏(国際日本文化研究センター元所長)の講演会がありました。

 

Sさんの個人的な人脈で実現したものです。

 

題目は『夕日に想う』。

 

童謡『夕焼け小焼け』の歌詞に込められた仏教思想をわかりやすく解説してくださいました。

 

♪~夕焼け小焼けで日が暮れる

 

 山のお寺の鐘がなる

 

 おててつないでみなかえろ

 

 からすもいっしょにかえりましょ~♪

 

思わず口ずさんでしまうメロディーですね。

 

日本の町村で、夕方、流れるチャイムで一番、多く採用されている曲だそうです。

 

「夕焼け小焼けで日が暮れる」

 

この1行目の歌詞に、日本人の夕陽信仰が凝縮されていると言われていました。

 

日が沈む西方にあるといわれる浄土を意味しているとも。

 

ケルト人がかつて、西方の海のかなたに「ティルナノグ」(常若の国)があると信じたのと同じです。

 

ティルナノグは、言わば、異界(彼岸=あの世)でもあります。

 

「最近、夕陽を見ても、感動しない人が多くなってきたのが残念です」

 

山折さんの言葉が胸にグサリと突き刺さりました。

 

幸い、ぼくはランニング中に赤々とした夕陽を目にすると、思わず足を止め、見入ってしまうことがあります。

 

しかし心にゆとりのないときは、夕陽の美しさなどまったく眼中にありません。

 

「山のお寺の鐘がなる」

 

ひと昔前の日本には、お寺(仏教)が日常の中にあったということ。

 

今、都会で暮らしていると、お寺の鐘の音を聞く機会すらあまりありませんねぇ。

 

まぁ、こんな感じで身近な例を引き合いに出し、山折さんは飄々とトークを展開されました。

 

いいお話で、素晴らしいセント・パトリックス・デーになりました~(^o^)v

-その他, 日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

師走の紅葉、紅葉、紅葉……奈良・竜田川~

師走の紅葉、紅葉、紅葉……奈良・竜田川~

師走に入りました。やっぱり気ぜわしくなってきますね。 暦のうえでは冬ですが、季節的にはまだまだ秋。 奈良・斑鳩の竜田川沿いの紅葉はいまがピークです。 たっぷり秋に浸ってください。

2013年が終わりに近づいています……(^o^)v

2013年が終わりに近づいています……(^o^)v

2013年がそろそろ終わります。 年齢を重ねるごとに、時間の経過が猛烈に速くなってきています。 まぁ、今年を振り返ってみると、かなり充実した年でした。 本業(モノ書き)では、難産の末、2年越しで『スコ …

暑さで看板がはがれた~!?

暑さで看板がはがれた~!?

ほんまに暑いですね。 朝、目覚めたときから30度も近くあるんですから、やってられませんわ。 スコットランドの寒さが恋しくなってきました(笑) 映画の試写を観に行く途中、ビルの看板が熱波ではがれている光 …

キムラバー、57年の歴史に幕を下ろしました……。

キムラバー、57年の歴史に幕を下ろしました……。

モルトウイスキーを全国に先駆けて発信した大阪・北新地のキムラバーが昨日(24日)、57年の歴史に幕を下ろしました。 ご苦労様としか言えません 実は……、ぼくを「ケルト」の世界に導いてくれた〈張本人〉は …

明日の土曜日、関西テレビのバラエティーに映るかも~(^_-)-☆

明日の土曜日、関西テレビのバラエティーに映るかも~(^_-)-☆

明日、11日(土)、ちょこっとテレビに出るかもしれません~(^_-)-☆   関西テレビのバラエティ番組『胸いっぱいサミット!』(正午~午後1時)。   先日の夜半、Fさんと一献傾 …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。