ケルズの書--。
言わずと知れた「アイルランドの至宝」といわれるキリスト教の福音書です。
渦巻き文様、組みひも文様、螺旋などを駆使した、これぞケルト美術のエッセンスというべき精緻極まる装飾が施されています。
首都ダブリンのトリニティ・カレッジの図書館に展示されているので、じかに見た人も少なくないかもしれませんね。
北欧からやって来たバイキングの脅威にさらされていた8世紀、アイルランド中東部のケルズ修道院で作られたと言われています。
その誕生の秘密を独自に解釈した長編アニメ『ブレンダンとケルズの秘密』がきょう、大阪・肥後橋のイシハラホールで開催中の第17回大阪ヨーロッパ映画祭で上映されました。
独創性あふれる映像と奇抜な発想力に基づいた内容にぼくは感動すら覚え、銀幕に眼が釘付けに。
非常に中身の濃いアニメだと思いました。
昨年のアカデミー賞長編アニメーション部門でノミネートされた作品なんです。
監督・脚本のトム・ムーアさんがアイルランドからゲストで招かれ、上映後、観客との間で質疑応答がありました。
「ケルズの書にまつわるいろんな伝説や歴史を踏まえ、完全にオリジナル・ストーリーとして構築しました。こういう内容のアニメはアイルランドでは初めてです。これからもヨーロッパを拠点に制作していきます」
アニメに対するムーアさんの熱意が会場を包み込みました。
Tシャツ姿がよかった。
一番好きな映画は、宮崎アニメの『トトロ』で、「ジブリ・ミュージアムを見学するのが楽しみ、楽しみ~♪」と笑みをこぼしていました。
見せるアニメ『ブレンダンとケルズの秘密』~大阪ヨーロッパ映画祭
投稿日:2010年11月21日 更新日:
執筆者:admin