武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ケルト

ブランドとしての「ケルト」

投稿日:2009年7月8日 更新日:

暑い~! そこに湿気が加わるから、蒸し風呂状態になり、不快極まりない~!! 梅雨はもう~大キライ!
ブツブツ言いながら、汗をかきもって街中を歩いていると、涼風がそよぐアイルランドのさわやかな光景が次から次へと頭に浮かんできました。この時期、カラッとした天候が多く、1年のうちで一番いいシーズンなんです。
そのアイルランドには、「ケルト(Celt)」があふれています。
ケルト(1)
ケルト(2)
「ケルティック・ロッジ(Celtic Lodge)」、「ケルティック・キャブス(Celtic Cabs)」、「ケルティック・ウイスキー・ショップ(Celtic Whiskey Shop)」、「ケルティック・バー(Celtic Bar)」などなど。
街のあちこちで、「Celt」と「Celtic」の文字が眼に飛び込んできます。店名が多いようです。
ケルト(3)
なかには、「ドゥルイズ(Druids)」というサイダー(リンゴ酒)もあります。ドゥルイドとは、古代ケルト人が信奉していたドゥルイド教の神官です。そのサイダーにも「ケルティック・サイダー(Celtic Cider)」と記されています~!
現象面だけを見ると、古代ヨーロッパで独特な文化を育んだケルト人の末裔の国と言わんばかりです。
考古学的(歴史的)にはヨーロッパ大陸からケルト人の大規模な移動の痕跡が見つかっていません。なのに19世紀末からの反英独立闘争のなかで、国民のアイデンティティーのひとつとして、アイルランドで「ケルト」が俄然、浮上してきたのです。言うなれば、ひじょうに作為的で政治的です。
フランスやドイツ、スイスなどヨーロッパ大陸の国々のほうが、考古学的にははるかに「ケルト」が多いです。とくにフランスが顕著です。
でも、今日ではアイルランド=「ケルト」の国になっています。実際、「ケルト」をセールスポイントにして、世界各地から観光客を誘致しています。
「ケルト」は、アイルランドにおいて、言わばブランドになっているんですね~。いったんブランドとして確立されれば、そう簡単に崩れない。国民も全世界の人たちもそう認識しています。
ブランドというものの強さを考えさせられ、しばし暑さを忘れました~♪

-ケルト

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。