大阪の作家、田辺聖子さんが6日に亡くなりはりました。
享年、91。
女性、それも大阪女の心の襞を描かせれば、この人の右に出る作家はいないでしょうね。
女性の心理を知る上でどれだけ彼女の作品が参考になったことか~(笑)
ユーモアとイチビリ。
典型的な大阪人気質を発散させた田辺さんの作品は、独特のエスプリが効いていて、『大阪弁ちゃらんぽらん』などのエッセイはどれも笑いの「玉手箱」でした。
ほんまにこなれた、生き生きとした大阪言葉(関西弁とちゃいまっせ~❗ 一緒くたにせんといて~!)を見事に活字にされてはりました。
そういえば、映画化されたのは『ジョゼと虎と魚たち』だけやったかも。
田辺さんが残したアフォリズム(箴言、金言)の数々……、どれも納得できます~😁
よぉ、人間を見てはりますわ。
『苦味(ビター)を少々』(集英社)からちょっと抜粋。
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「女は、やさしい男が好きなくせに、男がやさしいと見くびるものである」
「大きな嘘をつくときは、人は、ふつうよりも、いっそうまじめになる」
「一緒に笑うことが恋のはじまりなら、弁解(いいわけ)は恋の終わりの暗示」
「食べ物が安いというのも文化程度の高いことである」
「本音というのは黙ってるから、本音。しゃべると、タテマエになってしまう」
「人生をうまく生きる人というのは、楽しい口実をたくさん考えつく人である」
そうそう、ちょかBandの「ちょか」もちゃんと説明してはりました。
「チョカは、とくに大阪の下町っ子に多かった気ィがする。
注意力散漫、消しゴムを床に転がしたり、墨を隣の席の子の服にこぼしたり、先生の言うことを半分聞いて、いつも早とちりで失敗するような子。
大物ではないと、ひと目で分かる子。
ガサの方は、少し粗暴という意味が加わる」
うまいこと表現してはります。
ぼくと相方のキャラクター、そのもの!
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『源氏物語』の現代訳など古典にはついぞ親しめませんでしたが、めちゃめちゃ楽しませくれはりまして、ありがとうございました。
天国でカモカのおっちゃんと丁々発止の会話を楽しんでください。
ご冥福をお祈り申し上げます。
合掌。