武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

デンマーク&北ドイツ紀行(2017年9月4日~14日)

(3)デンマーク&北ドイツ~「ケルトの至宝」とご対面

投稿日:2017年9月15日 更新日:

コペンハーゲン国立博物館で念願の展示物とご対面できました~❗

グネストロップの大釜。

銀製です。

まばゆいばかりの光輝を放っていました~❗

直径約70センチ、重さ約9キロ。

1891年、ユトランド半島北部の沼地で見つかりました。

紀元前150年ごろに造られたもので、釜に彫られたうごめく文様と装飾から「ケルトの至宝」と呼ばれています。

神々の顔、動物、得体のしれないクリーチャー、兵士のパレード、意味深な図像(人の死と再生を描いたものなど)…。

動物を支配するといわれるケルトの神ケルノンヌスもいます。

頭から鹿のツノのようなものを2本生やして、座っている神さんです。

ほんま、何時間見ていても飽きません。

20数年前、この遺物をケルト関連の書物で目にして以来、ひと目会いたいという想いが募っていました。

しかし、あいにく北欧に出向く機会がなくて……。

それが今、ようやく実現しました。

これに会いたいがために、わざわざデンマークまでやって来たので、目にした瞬間、感動のあまり涙がこぼれた~😢(ちょっと大袈裟でした)

制作地は今のブルガリアかルーマニア辺りで、当地のケルト人と隣接していたトラキア人の銀細工職人によって造られたようです。

それがどうして「ケルト」と無縁の北欧デンマークで見つかったのか~???

これは明らかに有力な豪族への貢ぎ物です。

ならば交易か、従属の証しか、あるいは豪族の身内に愛する人がいて、その人へのプレゼントか……。

いまだに謎です。

そういうロマンがたまらなく面白い❗

手前の展示室には、リンケビューの大釜も展示されていました。

これは紀元前1世紀のもので、銀製ではなく、青銅器。

女神と思われる顔がこれ見よがしに彫られています。

どうやらガリア(今のフランスとベルギーの一部)で造られたもののようです。

こうして「ケルト」の息吹を今に伝える遺物を目にすることができ、ほんまによかったです。

それも北欧でお目にかかれるとはびっくりポン!!

コペンハーゲンに来て、大正解でした~\(^-^)/

-デンマーク&北ドイツ紀行(2017年9月4日~14日)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。