今なお中東ではアメリカとイランの間でいろいろ問題がくすぶっていますが、あの湾岸戦争から早、35年が経つんですね。
サダム・フセイン大統領の独裁政権下、イラクのクウェート侵攻を発端に、アメリカ主導の多国籍軍との間で起きた戦争でした。
先日、オンライン試写(配給・松竹)で観た映画『大統領のケーキ』(イラク=米=カタール合作)は、戦争と食糧不足に苦しむ当時(1990年代)のイラク社会を見事に活写していました。

フセインは、自身の誕生日に大統領を祝うケーキを作るよう、全国の学校に命じていたんですね!
アンビリーバブル!!
とある小学校で、くじ引きによって「ケーキ係」に指名されたのが9歳の女児ラミアでした。
両親をなくし、祖母との2人暮らしです。

家は貧しく、ケーキの材料(小麦粉、卵、ミルクなど)を買うゆとりは全くありません。
しかし、“名誉ある” 係なので、何としても材料を入手せねばなりません。
家財を売って換金するも、いろんなトラブルに巻き込まれ、必死になって町を駆け回るラミア。

あゝ、何と涙ぐましい、あゝ、何といじらしい。
イラク映画界の新鋭ハサン・ハーディ監督の実体験をベースに作られた映画です。

熱狂的にフセインを称える国民……。

とりわけ学校教育で“洗脳”された子供たちが大統領の顔写真をあしらったTシャツを着て、神を崇めるように歓呼しているシーンには戦慄が走りました。

独裁は絶対にアカン~と改めて実感させられました。
この珠玉の物語は、10日から全国で公開。