ケララ州に来て、あの独特なヒンドゥーの空気があまり感じられなかったんですが、今朝、トリシェール(Thrissur)からバスで向かったグルヴァヨール(Guruvayoor)は濃密なヒンドゥー世界に包まれていました。


ここは維持の神ヴィシュヌの化身クリシュナを祀る寺院があり、インド有数の聖地らしいです。

参道には土産物店やヒンドゥー関連グッズの店が軒を並べ、続々と信者が巡礼に来ています。







拝観チケットを求める人たちのオーラに気圧され、しばし立ち尽くしてしまった。
でも、他の聖地に比べてどこかあか抜けてます。
クリーンなケララ州だからでしょうか。
ダメ元でチケットカウンターの列に並んでいると、警備員が来て英語で訊いてきました。
「あんた、ヒンドゥー教徒?」
「ちゃいます」
「ほんなら入れませんわ、残念ですな」
やっぱり。
でも、ここでさらにプッシュしました。
現地語のマラヤーラム語に翻訳したスマホのメッセージを見せました。
「この寺院を参拝するため、はるばる日本から来ましてん」
アカンなぁ、虚言を吐いてしもうて〜(汗)
もちろんダメでした。
〈ウソ言いな。ちゃんと顔に描いたあるわ〉
そんな表情でしたわ。
参拝は断念し、寺院の周りを散策すると、ケララ州の民族舞踊が披露されていました。
踊り子はティーンエイジャーでしょうか、なかなかダイナミックで、見惚れてしまった!
その後、寺院に隣接する沐浴池の端に腰掛けようとしたら、背後からサリー姿のおばちゃんに呼び止められました。

「アカン、アカン、入られへんで。あんた、ちゃんと表示を見たんかいな」
マラヤーラム語でしたが、そんな感じでしたわ。
確かに表示板に「異教徒の立ち入りを禁ずる」と英語で記されていました。
沐浴池もアカンのか⋯⋯。
うーん、厳格すぎますな。
お腹も減ってきたし、ランチにしよう〜と大衆食堂に飛び込み、南インド式定食「ミールス(Meals)」をオーダーしました。
野菜だけの体に優しい料理です。

本来はバナナの葉の上に食べ物が並んでいるんですが、ここは巡礼者が多く、バナナの葉では追いつかないのでしょうね。
お代金は日本円で90ルピー(約150円)也。
日本から来たと店主に言うと、「長いことやってるけど、日本人初めてやわ」(片言のイングリッシュ)。
そう言えば、こちらに来て5日目になりますが、まだ日本人には1人も出会っていないし、白人観光客も皆無。
まぁ、ぼくの旅はいつもこんな感じかな〜
☆ ☆ ☆ ☆
ランチを取った大衆食堂で、店主のおっちゃんから耳寄りな情報を聞きました。
「近郊にゾウをいっぱい飼うてるとこありまっせ」
えっ!
場所を教えてもらい、食後、さっそくリクシャーで向かいました。
10分ほどで到着。
「グルヴァヨール・デヴァスウォン・エレファント・サンクチュアリー」という動物園みたいなところでした。

入園(20ルピー、約34円)すると、林の中、あちこちにゾウさんがいてました。
柵なしでゾウを目の前で見られるなんて!




タイやスリランカでもよく似たところがありましたが、こちらの方がはるかに規模がでっかい。
その数、何と約60頭もいるんですから!
世界最大のゾウ園らしいです。
みな、おとなしい。
鳴き声も聞こえない。
これらのゾウはグルヴァーヨール寺院が所有しており、ヒンドゥー教の祭りで動員されるとか。
昨今、儀礼で使われるゾウに対し、インド国内で「動物虐待やないか!?」という声が上がっているそうです。
ホンマに虐待なのか、いっぺんゾウさんにちゃんと訊かなあきませんな。
☆ ☆ ☆ ☆
聖地グルヴァヨールからバスでトリシェールへ戻り、夕方、考古学博物館を見学しました。
ケララ州の古代がよくわかりました。
見終ってから、見学者の女性に記念写真を撮ってもらいました。

そのあと街に出ると、あら、不思議??
車がビュンビュン行き交っていた道路に全く車が走っていない!!
えっ!

通行人に訊くと、「選挙活動で道路が閉鎖されてますねん」。
この道路は、大阪で言えば、メインストーリートの御堂筋みたいなところ。
選挙活動のため、その一部を閉鎖するとは……。
グーグルで調べると、9日、ケララ州やタミール・ナドゥ州など南インドで州議会選挙があると記されていました。
なになに……、日本の外務省海外安全ホームページにはこんな記載が。
「昨年9月、選挙集会で群衆が将棋倒しになり、41名が死亡、100名以上が負傷した事案があるので、くれぐれも集会には近づかないように」
なるほど、やたら警察官の姿が多いと思った。
しばらくすると、強烈なマイク音が聞こえてきて、その方向に歩を進めたら、赤い旗が乱立し、大勢の支持者が何やら政党のPRソングを熱唱し、えらい盛り上がってました。

日本の選挙活動とは違って、めちゃめちゃ熱い、熱い。
ちょっぴり記者根性が出て、スマホで撮影しようと一歩踏み出したら、「アカン、アカン。離れなはれ!」と背後から肩を捕まれました。
いかつい警察官でしたわ。
その夜、お酒を飲みにバーに出向くと、どこも休業。
どうやら口論や喧嘩の防止策みたい。
ありゃ〜(涙)
ホテルに戻り、テレビを付けると、イラン戦争と選挙を交互に報じていました。



ケララ州の人口は、ポーランドと同じ約3500万人。
州とはいえ、国みたいなので、実質は総選挙かな。
ホンマ、政治意識の高い土地柄ですわ。