昨日、関西大学梅田キャンパスで、同大学社会学部メディア(旧マス・コミュニケーション学)専攻の小川博司教授、黒田勇教授、里見繁教授の退任記念講演会がありました。
皆さん、70歳です(関大は70歳定年)。
お世話になった3人の先生方、それぞれの個性がにじみ出たお話を拝聴できました。
音楽社会学がご専門の小川先生は、『「教育」考』というテーマで、小学校のときの恩師に憧れ、教職をめざしたことから、今日にいたる歩みを切々と話しはりました。
高校紛争の真っ只中だったんですね。
大学卒業時、大学院か教職かで悩み、結局、東大の院に進んでから、担当教授からハラスメントを受けられたとは……。
その経験を踏まえ、大学の教官になったとき、学生と密な関係を築こうと思われたんですね。
とても温厚な方で、小川先生を慕っている教え子がぎょうさんいてます。
前任の桃山学院大学から関西大学へ転勤したとき、「関大生は反応がいい、伸びる」と言うてはったのが印象的でした。
2番手の黒田先生はスポーツ社会学がご専門。
『浅学菲才の36年~ウメテンマへの道~』と題し、神戸女子大学からスタートした大学教員の歩みを、面白おかしく説明してくれはりました。
この先生、大阪人なので、やっぱりサービス精神に富んではります(笑)
神戸女子大学のあと、大阪経済大学へ。
そのとき、MBS(毎日放送)ラジオの『ぱんげあクラブ』や『おはよう川村龍一です』などの番組によく出演してはったんですね。
そして、1999年に関大へ移り、『地方の時代』映画祭の開催に奔走され、2016年から天満宮の水を使った梅風味のソーダ水「ウメテンマ」を生み出しはりました。
黒田先生は、行動力があり、ぐいぐい突き進んでいくリーダー的なタイプです。
トリは、元MBSの有能なドキュメンタリストの里見先生。
てっきり秘蔵のドキュメンタリー映像を披露されると思いきや、「初めて原稿を作りました」とその原稿を訥々と読み進めていきはりました。
テーマは3つ。
(1)映像の編集とは何か――。
映像にも文法があり、主語と述語によってきちんと規定されていることを説明され、小津安二郎のローアングルを例にわかりやすく解説してくれはりました。
(2)映画とは何か――。
「死」に向かっていく時間の一瞬を切り取ったもの、それが映画なのだと。
うーん、深い見方ですね。
(3)人生とは何か――。
なんと哲学者ハイデガーの『存在と時間』を取り上げ、やはり「死」へ向かっていくことを説明されていました。
まさか哲学の話が飛び出すとは!
そして、人生とは、「諦観」……という亡きお父さんの言葉で締めくくられました。
ざっとこんな具合で、お3人方の未知なる面をいろいろうかがい知れ、充実した時間を過ごせました。
今後の取り組みは――。
小川先生「盆踊りの研究をするため長野県、自宅のある西宮、ドイツ、母親のいる東京を転々とします」
黒田先生「雲仙の災害を調べたい」
里見先生「俳優になります(笑)」
最後に、3教授と記念撮影。
何はともあれ、長い間、ホンマにお疲れさまでした。
そしてご退任、おめでとうございます !
次なる人生をエンジョイしてください~(^_-)-☆