武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月)

(3)南インド・タミルナードゥ州への旅~3日目(5月21日)

投稿日:2018年6月1日 更新日:

カーンチープラムで宿泊したホテルで目覚め、近くの大衆食堂で朝食を取りました~😃

南インドでは、大衆食堂に「HOTEL」と表記している店がぎょうさんあり、前回の旅では宿と間違って飛び込んだこともありました~😁

朝食は、チャイとバナナの皮の上に乗ったイドリー。

これ、米粉と豆を潰して発酵させ、ペースト状にしたものです。

薄味のカレースープにつけて食べるとgood~😁

こちらの人はイドリーにスープをぶっかけてはりますが~。

添え物はヨーグルト風のタレとカレー風味のタレ。

基本、カレーと酸っぱいモンですわ~😁

お値段は締めて日本円で約50円なり~✌

現地の人は屋台で朝食を済ませてはります。

「えらいこっちゃ~❗」

それも、かなりの「えらいこっちゃ~❗」。

朝食後、ホテルをチェックアウトし、バスターミナルに向かって歩いていると、見目麗しい一頭の若い雌牛が横を通りすぎていきました。

「わっ、べっぴんさんやな~」

すぐさま撮影~📷

至近距離で彼女の後についていくと、あろうことか歩きながら、「アレ」をやり始めはったんです。

「大」の方です~😲

それも大量に~❗❗

普通は立ち止まってやるでしょうが。

想定外で、あまりの突然の事で避けることができず、右足を現物にズブリと踏み込んでしまった❗

こちらに来てからはずっと短パン姿で、裸足でビーチサンダル履き。

くるぶしまで埋没しましたがな~😵

右足に得もいわれぬ温かさが……。

被害レベルは「中」の上。

あわてて足を上げると、サンダルを「置き忘れる」可能性があるので、ゆるりゆるりと持ち上げました。

そしてリュックからトイレットペーパーを取り出しました。

インドでは、よほどの高級ホテル以外はトイレットペーパーがついてませんねん。

みな、「特殊な装置」による水洗いです。

安宿では手洗い~(笑)

だから、外国人にはトイレットペーパーが不可欠なんです。

道路脇で、必死のパッチで「現物」を取り除こうとするも、なかなかうまくいかない。

周りの人や通行人はどんな顛末になるのかとニヤニヤ笑うてはります。

かなんな(「かなわんな」の大阪弁です)~😣

気温は35度。

汗まみれですがな~😵💦

次の目的地マハーバリプラム行きのバスの時間が迫ってきていたので、とりあえず、足元に土をかぶせて「カモフラージュ」し、バスターミナルへ早足で直行。

瞬時によくぞこんな方法を思い浮かべたものだと我ながら感心しました。

なんでそうしたかと言うと、「現物」を踏んだことがバレるのが恥ずかしかったから(笑)。

右足をやや引きずりながら、加害者の「彼女」を追い抜いた際、「小」を放ってはりました。

しゃあない娘やな、ほんまにもう。

で、バスターミナルのトイレに駆け込み、大量の水を使ってきれいに洗い流すことができました。

インドの「大」のトイレでは、水をふんだんに使えます。

最後に消臭剤(?)の「8×4」を吹き付けて完了。

これなら、車内で「◯ン害」はないはず。

よっしゃ、これで大丈夫~❗

「運」がつくやろ~と気分を一新させ、乗り場に駆けつけると、乗るべき急行バスがすでに出ていました!!

ガーン~😵💤⤵

次の便は1時間後……。

待つしかしゃあないと覚悟を決めたら、バス会社のスタッフが「乗り換えでマハーバリプラムへ行けまっせ」とアドバイス。

そのバスに乗ると、すぐに発車。

しかしこのバス、鈍行でした。

まぁしゃあない。

典型的な田舎のバスです~🚌

リュックは運転席の横に置かせてもらいました。

車内は空席が目立ち、ええ塩梅~😁

途中、睡魔に襲われ、うとうとしていたら、車掌さんに起こされました。

終点のチェガルバトゥという町。

あわててショルダーバッグとカメラケースを抱えて飛び降りると、リュックを置き忘れたことに気づきました~❗

「えらいこっちゃ~❗」

このケース、昨年夏の北ドイツ・リューベック駅で電車の中にトランクを忘れたハプニングのバス・バージョンですがな。

ほんまに学習しまへんな。

車内に戻ろうとすると、車掌さんがリュックを持って出てきてくれはりました。

やれやれ、助かった❗

その時、何とも言えん顔をしてタミル語でひと言言われました。

それが「あんた、『ちょか』やな」というふうにぼくの耳には聞こえたんですが~😅

当たっているだけに頷くしかない。

「ミッカ・ナンドリ、ミッカ・ナンドリ」(タミル語で「ありがとうございます」の意味)。

その言葉を繰り返すしかなかったです~(笑)

バスターミナルの案内所で、マハーバリプラム行きのバス乗り場を聞いたら、今まさに発車したバスでした。

次のバスでもよかったんですが、反射的に動き出したバスに飛び乗った。

ラッキー!!

右手のバスに飛び乗りました!

ところが車内は満員~❗

しかも停車する度に人がどんどん乗り込んできます。

身動きとれまへんがな~😭

前回と今回のインド旅行を通じて、こんなに混み合うバスで立って乗ったのは初めて。

あの雌牛の「運」はどないなったんや~??

リュックが邪魔で仕方なかったのですが、物理的に背中から下ろすことができない。

周りの乗客に「ソーリー、ソーリー」と謝ると、皆さん、温顔で「ノープロブレム」。

この時ほど「ノープロブレム」の言葉に救われたことはなかったです~😁

1時間後、目的地のマハーバリプラムに到着。

さすがに車内の熱気とリュックの重さでいささかバテ気味~( ;∀;)

歩いて宿を探す気力も体力もなし。

近づいてきたリキシャのお兄さんに「どこかええ宿、ないやろか」と訊いたら、「オススメのゲストハウスを知ってるよ」との返答。

ありがたい❗

その宿に着いた時、運転手に言い値の運賃に加えてチップをたっぷりはずみました。

幸いダブルルームでしたが、部屋をゲット~✌

一泊朝食付きで1200円ほど。

2日泊まることにしました。

白人客がよく泊まっているみたいで、廊下で長身のカップルに出会いました。

スウェーデンからの観光客とか。

こちらに来て初めてインド人以外の人にお目にかかれました。

この宿のオーナーはクリスチャンでした。

その影響もあり、白人客が多いのかもしれません。

テラスは南仏プロヴァンスに居ているような明るい感じ。

部屋の壁に取り付けられたHITACHIの旧式クーラーは全く動かなかったけど、天井の扇風機が非常に心地よいです。

埃も舞い落ちてこない(笑)

こういう雰囲気、大好き。

だんだん「運」が向いてきたみたい❗

ベンカル湾に面したマハーバリプラムの町。

素敵なゲストハウスでちょっと昼寝したあと、何としても見たかった海岸寺院を訪れました。

8世紀初めに建てられたヒンドゥー教の石造建築です。

日本なら、奈良時代ですね。

所々、風化と潮風による浸食が目につきますが、長い間、原形を留めて耐え続けているのがすごい❗

ユネスコの世界遺産に登録されています。

この寺院を見るのが旅の目的の1つでした。

容赦なく照りつける熱射とベンカル湾から吹き付けるの強い潮風。

それに果敢に立ち向かっているようで、感動すら覚えます。

2つの祠に祀られているシヴァ神とヴィシュヌ神の為せる業なのでしょうか。

寺院の見学を堪能し、海辺に行こうとしたら、案の定、土産物売りの娘さんが待ち構えていました。

みな、ネックレスを売ってはります。

キュッと目尻を上げ、無視していたんですが、1人の小柄な女の子に捕まってしまった。

「1つ、100ルピー(約160円)です。友達の土産物にどうぞ」

いかにも安っぽいネックレス。

「ノー・サンキュー」を連発しても着いてくる。

「ほんまに要らんねん。ちょっとしつこいよ」と大阪弁でいかつく言っても効果なし。

こうなれば、最後の「奥の手」を使わなしゃあない。

ショルダーバッグから通天閣、大阪城、住吉大社の太鼓橋など大阪の絵はがきを取り出し、「3枚で100ルピーでどう?」。

逆に売りつけるんです~(笑)

想定外の切り返しとあって、前回の旅ではみな驚いて首を横に振りながら退散しはったんですが、彼女は興味深そうに絵はがきを眺めていました。

こういう絵ハガキが役に立ちます

「じゃあ、物々交換しましょう」

そう言われ、只でネックレスをゲットできました。

彼女の方も満足気~😁

よかった、よかった。

どうやら雌牛の「運」が効いてきたみたいです(笑)

海岸寺院の南側のビーチはインド人でいっぱい。

沐浴しているのかなと思ったら、何のことはない、波打ち際で水遊びをしてはりました。

のどかな光景です~😁

今度は北側のビーチに足を伸ばし、海岸寺院を望めるレストランでビール・ブレイク~🍻

潮風が何とも心地よく、最高のロケーション。

まさに至福のひと時でした。

そして今日の締めは、ここで捕れた魚の料理(アジかな?)とカレー、そして米を原料にしたドーサーの夕食。

ドーサは普通、巻いて筒状で出されるもんですが、この店ではクレープ状でした。

すごく美味しくて、朝のとんだトラブルを忘れさせ、1日の疲れを癒してくれました。

そして今、ベンカル湾に面した暗いビーチで、漁船のヘリに腰をかけて、心地良い潮風に当たりながら、このレポートを綴っています。

住民も涼みに来てはります。

ほんま、ええ塩梅ですわ~😁

結果オーライで今日は素晴らしかった。

やっぱりあの可愛いい雌牛との「出会い」のおかげかな~💕(笑)

-南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月),

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。