武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月)

(2)南インド・タミルナードゥ州への旅~2日目(5月20日)

投稿日:2018年5月31日 更新日:

チェンナイのミニ・ホテル、不思議と快眠でき、朝、目覚めて表に出ると、34度~❗

早く暑さに慣れなあかんわ。

ホテルの前に牛たちがいました。

道理で夜中、モーモーという鳴き声がしていたはずや。

街中で飲んだチャイは最高でしたよ😃⤴⤴

一杯、10ルピー(約16円)。

人口約500万人の大都会チェンナイは朝からすごい活気❗

車のクラクションもうるさい~🚙🚗💨

路上で寝てはる人のそばにヤギの肉を売る店がありました。

ヒンドゥー教、イスラム教ともにヤギの肉は🆗なんですね。

こんな情景を目にすると、あぁ、インドに来たんやなぁ~と実感します~❗❗

スパイス系の独特な町の匂いもたまりません~(笑)

これからチェンナイを離れ、南西部の聖地カーンチープラムへバスで向かいます。

ホテルの近くからリキシャ(三輪タクシー)を捕まえてチェンナイのバスターミナルへ。

こちらではバススタンドと言います。

どういう訳か、運転手の友達も便乗しました(笑)

バスターミナルはバカでかい❗

どっから乗るのかわからへん~😓

5人に聞いて、やっとこさ次の目的地カーンチープラム行きのバス乗り場を見つけました。

バスはかなり老朽化してますなぁ~。

あっという間に満席になり、すし詰め状態になってきたのに、途中のバス停からお菓子売りのおじさんが乗り込んできて、果敢に商売してはりました。

すごい商魂!

約2時間乗って、料金は96円。

公共交通機関はボロクソに安いです~😁

まぁ、物価は日本の8分の1~10分の1なので、超安上がりです~😉

バス停がカーンチープラムの町中に入った時、「エアコン完備」の看板を掲げたホテルを車窓から発見し、下車後、すぐさま駆けつけ、「部屋、空いてますか?」

受付のお兄さんは「シングルはいっぱいやけど、ダブルなら空いてまっせ。料金はちょっと高なりますけど」

部屋代を聞くと、ざっと1500円。

全くノープロブレム~😁

前夜のことがあったので、部屋を見せてもらい、エアコンをチェック~(笑)

完璧に機能してました~✌

装置を見ると、TOSHIBA 製でしたわ❗

天井の大型扇風機も音がせず、埃も舞い落ちてきまへん。

ほんまに申し訳ないほど素晴らしい部屋ですわ。

もちろん、即、お金を払い、チェックインしました。

ルンルン気分で、昼飯を食べに外に出たら、牛さんが何か怖い顔でにらんではりました。

気温は40度を突破しています。

「このくそ暑いのに、異常にテンション上げるな~❗」

そんな感じでしたわ~(笑)

ホテルでチェックイン時、宿泊代を払ったら、現金がほとんどないことに気づきました。

こちらのホテルは現金による前払いが当たり前なんです。

クレジットカードが使えない店も多い。

チェンナイに到着時、空港の銀行で、「最低限」の日本円をインド・ルピーに両替しました。

何せレートが悪いと聞いていたから。

実際、そうでした~😭

「近くに両替屋、ありませんか?」

フロントのお兄さんに訊くと、「ここで両替できますよ」。

ありがたい❗

「何ドルを両替したいんですか?」

インドでは外貨=米ドル、あるいは英ポンドです。

「いや、米ドルを持ってませんねん。日本円とユーロだけ」

ユーロは「ケルト」の取材でヨーロッパに行く機会が多いので、うちにそこそこストックがあるんです(笑)。

「うーん、日本円とユーロですか……」

お兄さんはちょっと困惑気味。

「近くの貴金属店で両替してくれますよ。電話で伝えておきますさかい」

おそらく知り合いなのでしょうね。

で、その店へ行くと、3人の店員が待っていました。

みな、めちゃめちゃ愛想がええです。

壁には「笑顔がお金を生む❗」と英語で書かれた標語が貼られてありました~😁

どうやらユーロを見るのは初めてらしく、ぼくが差し出した100ユーロ紙幣を興味深くしげしげと眺めてはりました。

日本円はあまり関心がなさそう~😅

「じゃあ、200ユーロを替えてください」

ぼくがそう言うと、ボス格の男性がすぐさまどこかに電話しました。

「今日は銀行が休みで、最新のレートがわかりませんねん。ネットで調べまひょか」

そか、日曜日やった❗

そしてパソコンを操作。あとの2人はスマホで調べてはります。

3人で協議した結果、インド・ルピーのしかるべき額をメモに書いてくれはりました。

「この額でええですか?」

計算に弱いぼくでも、空港で両替した時よりもかなりの高レートというのがわかりました❗

「オーケー~👌」

快諾したら、いきなり握手~❗

びっくりポン~😲

しかも受け取ったインドの紙幣が驚くほどきれかった~❗

ガンジーさんに「シワ」がなく、輝いて見えました(笑)

ぼろぼろになった紙幣や破れかかっている紙幣が結構、多いんですよ~😅

受け取りの紙をぼくに渡すこともなく、貴金属店でこんな形で両替できるとは思わなんだ。

待っている間、チャイを出してくれ、女性の店員がずっと可愛らしい笑みを見せてくれ、至れり尽くせり。

「このお金で何か宝石を買うてくれまへんか」とも言われず、ほんま、気分がよかったです。

いい意味で期待を裏切ってくれ、ますますインドを好きになりそう~💓

この店、両替商の免許を持ってるんかな?

ヤミでやってるかもしれませんね。

でも、すべてノープロブレム~😁

現金をゲットでき、さぁ、昼飯にしよう。

ぶらぶら通りを歩き、典型的な大衆食堂に入りました。

注文したのはカーンチープラムの大衆食堂でチキン炒めソバ。

約150円。

もちろんカレー風味です。

ソバに突き立ったスプーンを使わず、手で食べましたよ~😉

添え物のタマネギの酢漬けと辛酸っぱいタレを適度にまぶすと、味が引き立ちました~😁

ヒンドゥー教はインドの人口の約8割を占めています。

北部と中部は長い間、ムスリム(イスラム教徒)の支配を受けたのに対し、南部はほとんど皆無でした。

だから南インドは土着信仰も絡み、ヒンドゥーの濃密な空気に覆われています。

今日、やって来たカーンチープラムはインド国内におけるヒンドゥー教の七大聖地の1つなので、各地から巡礼者が参拝しに来ます。

高校時代、ぼくはインドに感化されたビートルズのジョージ・ハリソンの影響を受けたのを機にこの国に興味を覚え、当然、ヒンドゥー教にも目が向きました。

現在、ヒンドゥー教は大雑把に言えば、世界を破壊し、創造する気性の激しいシヴァ神と世界を維持する穏やかなヴィシュヌ神の2つの神に支配されています。

ヒンドゥー寺院もほとんどどちらかを奉っています。

今日は午後から、「えせヒンドゥー教徒」になって町中にある5つの寺院をリキシャと徒歩で参詣してきました。

ゴープラムと呼ばれる巨大な塔門が南インドの寺院の特徴です。

びっしり刻み込まれたヒンドゥー神話のエピソードや神々の姿の数々。

思わず見とれてしまいます。

境内に入ると、寺院関係者と称し、法外な寄付金を要求する良からぬ輩もいますが、市役所から依頼されてボランティアでガイドを務めている人もいます。

ヴィシュヌ神の寺院(ヴァイクンタ・ベルマール寺院)で、そういう男性に分かりやすい英語で解説してもらい、いろいろ写真も撮ってもらいました。

ちょっとはしゃぎすぎましたが~😁

もちろん、帰り間際、ほんのお気持ちでチップ(寸志)をお渡ししましたが……。

街中の小さなシヴァ神の寺院で、エンジニア学校に通う学生と知り合いました。

「生まれた時から当たり前のように、シヴァ神を信仰しています。自分たちのパワーの源です」

こう言われ、ぼくはただただ相づちを打つだけ。

宗教が生活だけでなく、生き方そのものまでをも支配しているんですね。

この国の本質を知るには、やはり宗教的な人間になる必要があるな~と実感した次第です。

インドの灼熱をまともに受けたせいか、夕方になると、さすがにビールが欲しくなりました。

この国はお酒事情が極めて悪く、街中にバーはありません。

前回、ビールを求めて、あろうことか知らずにオカマバーに入ってしまったけれど(笑)、今回はちゃんと学習し、しかるべきところで飲めました。

それは町一番のホテルのバーです。

田舎町でもそういうホテルに行けば、飲めます。

カーンチープラムの「高級ホテル」のエアコンが効いたバーで、ギンギンに冷えたインド産のキングフッシャーで喉を潤すことができました~🍺

最高😃⤴⤴

それでも一本250円。

ちょっと妖し気な空間でしたが~😅

インドでは、お酒を嗜んでいるとき、やたらとゲップする人が多いんです。

前回も気になっていましたが、ほんまに多い~😲

日本や欧米ではお下品と見なされますよね。

こちらでは、お酒をちゃんと飲んでいる証しみたいな感じ。

帰国したら、馴染みのバーでゲップをやりまくろうかな(笑)

いっぺんに出入り禁止になりますね~(^^;)

体温を下げ、英気を養ったので、夜の寺院をお参りに行きます。

シヴァ神を祀るエーカンバラナータル寺院です。

大きなゴープラム、シヴァ神の乗り物ナンディー(牛)の銅像、そして本堂の内陣を取り囲むようにして安置されたシヴァ・リンガ。

リンガは「男根」です。

日本で言えば、道祖神ですね。

五穀豊穣と繁栄、活力を生み出す象徴。

若い女性の信者も恥ずかしがらず、お参りしてはります。

ヒンドゥー教の濃密な世界に浸り、妙に心が安らいだ日となりました。

-南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月),

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。