昨日20日)、丹波の福知山(京都府)に行きました。
昨年夏、86歳で黄泉の客となられた大阪・広島両大学名誉教授、藤田尚男先生の墓参です。
最晩年は老人養護施設に入っておられ、亡くなられてから半年後に訃報を知りました。
告別式に参列できなかったのがずっと気になっていたので、お墓参りにやって来た次第です。
奥様から、長文の丁寧なお葉書を頂戴し、埋葬地をお教えいただきました。
藤田先生とは、かれこれ30年前、現役の記者時代に取材でご縁ができ、時々、中之島にあった阪大医学部の教授室にお邪魔しては、ご専門の解剖学だけでなく、哲学、美学、文学、美術、歴史、ジャーナリズムなど幅広く知的な会話を楽しませてもらいました。
本当に楽しかった~(*^-^*)
20年前、ぼくが新聞社を辞めてからは2か月に一度のランチが心待ちに。
最初は、先生が阪大を定年退官後に勤められた塩野義研究所(大阪・野田)の食堂で、そこを辞められてからは梅田のレストランで。
先生は退官後、とみに知的好奇心を高められ、ぼくがのめり込んでいるケルト文化にもどんどん興味を持たれました。
「オモロイですなぁ」
目を輝かせ、講師役のぼくの話を真剣に聴き入っておられました。
そして、ついには「やっぱり現場に行かなあきまへんな」とスコットランドまで足を伸ばされたのだから、参った~(*_*)
直接、専門的な講義を受けたわけではないのですが、心から「恩師」と呼べる人はこの方を置いて他にはいません。
夏の強い陽射しを浴び、お墓に手を合わせていると、目を細めた先生の笑顔が浮かび、温かい声が聞こえてきました。
「武部さんは友達やから 」
若輩者のぼくをいつもこう呼んでくださっていました。
郷里で安らかにお休みください。
墓地のある丘から市街地が一望できました。
あっ、そや、福知山に来たのは初めてやった。
このあと、明智光秀ゆかりの福知山城の天守閣に登りました。
梅雨が明け、夏本番。
澄み切った青空が何とも爽やかでした。