武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド紀行(2015.2.14~27)

南インド紀行(20)~エピローグ

投稿日:2015年3月9日 更新日:

2月26日の夜。

 

南インド・トリヴァンドラムからシンガポール経由で日本に帰るフライトの時間が迫ってきました。

 

今回の旅の「虎の巻」は『地球の歩き方  南インド編』(ダイヤモンド社)でした。

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全て頼りっぱなし。

 

このガイドブックがないと、放浪の旅はできなかったでしょう。

 

これまでのヨーロッパ「ケルト」取材旅行では、観光ルートからそれた僻地に足を運ぶケースが多く、『地球の歩き方』をあまり利用しませんでした。

 

「ケルト」ゆかりの地や遺跡へのアクセスは、博物館の学芸員に聞いたり、観光案内所のスタッフに調べてもらったりとかなり苦労しています。

 

だから、南インドの旅は難易度から言うと、それほど高くなかったです。

 

楽チン、楽チン~(^_^)

 

2月14日にトリヴァンドラムに到着後、年齢も鑑みず、思うがまま各地を放浪してきました。

 

大きなハプニングと言えば、長距離列車から飛び降りたあの「危機一髪」のケースだけで、あとはノープロブレムでした。

 

オカマバーに入ってしまったのは、まぁシャレです~(笑)

 

お腹を下すこともなく、毎日しっかり三食頂き、元気いっぱい。

 

食事は理屈抜きに美味かった~(*^^*)

 

肉体的には1つだけ苦痛がありました。

 

サンダルずれです。

 

移動中は、(あのボロボロになった)クツを履いていましたが、街中では、いつも裸足にビーチサンダルでした。

 

日本ではめったにビーチサンダルを履かないので、両足の親指の外側と左足の底にでっかい水ぶくれができてしまいました。

 

それも旅の3目辺りから。

 

とにかく痛い!!

 

ヒンドゥ寺院では裸足にならねばならず、境内を歩くのがほんまに辛かったです。

 

現地の薬局でインド産のバンドエイドを大量に購入し、しょっちゅう貼り換えていました。

 

そのバンドエイド、強力です。

 

一度、貼ると、剥がすのにひと苦労~(‘;’)

 

1週間目、水ぶくれが破れてしまい、そこからばい菌が感染しないかとヒヤヒヤしていましたが、幸い大事に至らずにすみました~(^_^)

 

宿屋も飛び込みで、それほど苦労せずに取れました。

 

鉄道駅やバス・スタンドの近くで眼についた宿屋に直談判したり、リクシャーの運転手を信頼してホテルに連れて行ってもらったり。

 

安宿は「LODGE]、そこそこのレベル以上が「HOTEL」とランク分けがあることを知りました。

 

今回はすべてHOTELを使いました。

 

学生時代なら、まず間違いなくLODGEかドミトリーに泊まっていたと思うのですが、年齢のことを考えると、そこまで無理する必要はないと判断したからです。

 

そしていつもながら、よく歩きましたわ。

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それも炎天下に。

 

日焼けで2度も皮がむけました~!!

 

ずっと快晴で、日中は33~35度の酷暑でしたが、ペットボトルの水で補給していたので、熱中症でへたばることもなかったです。

 

一番日差しのきつい午後3~4時、よく宿屋で昼寝していました。

 

シャワーで汗を流してから、天井の古びた大型扇風機がガタガタと音を立てる中、大の字になると体力がいっぺんに回復します。

 

水のシャワーが気持ちよかった。

 

物乞いの人や子供たちに囲まれ、お金をせびられることもなかったです。

 

たまに修行僧の人に「バクシーシ(喜捨)」と手を出されました。

 

小銭があれば、渡していましたよ。

 

しつこく土産物を売りつけてくる人がいましたが、毅然とした態度を示し、「No thank you」と言えば、大概あきらめてくれました。

 

それでも食らいついてくる人には、「ほんまにええ加減にせんかい。しつこいのは嫌われるぞ!」と大阪弁でまくしたてていました~(^_^.)

 

こういう時の大阪弁は効きます!

 

概して、あっさりしてはりますねぇ、南インドの人は。

 

リクシャーで運賃を払おうとしたら、ほんまかどうか知らないけど、「お釣りない」と運転手から言われ、「お釣りええわ。取っといて」と多目に渡したこともしばしば。

 

でも、それもノープロブレム。

 

何か全てにおいて寛大になれました~(*^^*)

 

ほんま、いろんな人と出会え、いろんなところを訪れ、いろんな出来事を体験できました。

 

思いのほか刺激的な素晴らしい旅になったと思っています。

 

何たって、念願叶い、インド亜大陸最南端カニャークマリ(コモリン岬)で、「イェーツ~!」と絶叫することができたのだから、もう最高です~(*^^*)

 

やはり自分の足で現地を踏み、自分の目で見て、自分の耳で聞き、自分の鼻で匂いをかぎ、自分の肌で接することに尽きますね。

 

それも受け身ではなく、能動的に~!‼

 

まさに現場主義です。

 

「ケルト」の取材旅行で貫いてきたスタンスがインドでも十分、通用できたことが何よりもうれしいです。

 

それと旅立つ前、インドの文化、歴史、民族、宗教、言語などをしっかり「予習」しておいたのがよかった。

 

せっかく南インドまで行くのだから、国と人々をじっくり見てみたい。

 

単に観光だけで終わらせるのはもったいない。

 

現地で、実際に「ウラ」を取り、その上でいろんなことを発見し、旅に広がりができました。

 

旅するには、常に能動的になり、その国のことをある程度、知っておく。

 

それが充実した旅にするための鉄則ですね。

 

インドは映画大国です。

 

チェンナイやトリヴァンドラムでも映画が製作されています。

 

映画が大好きで、それを生業にしているぼくには非常に魅力的な国です。

 

本来なら、撮影所を訪れたいところなのですが、それをやると、必死で取材してしまい、完全に仕事になってしまう。

 

今回はあくまでも仕事抜きの旅にしようと決めていました。

 

だから、撮影所や映画館などあえて映画関連のスポットを外しました。

 

それでよかったと思っています。

 

還暦記念のバックパッカー南インド1人放浪の旅。

 

ほんまに、ほんまに、ほんまに敢行してよかった~(*^^*)

 

熱かっただけで、不思議と疲れていません。

 

南インドはぴったり肌に合ったようです。

 

今度は中部インド、その次は北インドと北上していこうかな~(笑)

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インドに行きたいと思っている人、だれもが目指すガンジス川流域の北インドではなく、まずは穏やかな南インドからスタートしてみてはどうですか。

 

きっとインドが好きになりますよ。

 

観光化による俗化があまり進行していません。

 

治安もいいです。

 

現地の人はほんまに純朴でした。

 

ワンちゃんも無防備です~(笑)

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南インドの人は北インドを怖がってはりました……(*_*)

 

なにか別の国のようにとらえている人もいましたね。

 

ともあれ、ぼくに温かく接してくれた南インドの人たち、おおきに、ありがとさんです~!!

 

一生、忘れません。

 

27日の夜、無事、関空に着き、これをもって、「南インド紀行」を終了します。

 

イェーツ~\(^o^)/

 

-南インド紀行(2015.2.14~27)

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。