武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

フランス南西部紀行(2014年夏) 未分類

(6)フランス南西部紀行~ボルドー

投稿日:

バイヨンヌから、フランス国鉄が誇るTGV(高速列車)に乗らず、鈍行でボルドーに来ました。

 

今回の旅では、基本は普通列車での移動。

 

以前、フランスを旅した時、車両が古くて汚く、しかも時刻表通りに来なかったです。

 

ストライキも多いし……。

 

ところが今や、車両はクリーン、快適、快適~♪♪

 

1回だけ出発時に10分遅れがあったけれど、他はすべてオン・タイムでした。

 

約2時間でボルドー・サン・ジャン駅に到着。

 

風格のある大きな駅です。

 

湾曲するガロンヌ川の両岸に市街地が広がっています。

 

ワインの産地とあって、街中にもブドウ畑があると思っている人がいますが、郊外にしかありません。

 

ボルドーは12世紀半ばから約300年間、イングランド領となり、ワインと奴隷貿易で殷賑を極めました。

 

その名残を今にとどめる重厚な建物が立ち並んでいます。

 

トラムが走っており、街の風情とよくマッチしていました。

 

駅前周辺はアラブ系とアフリカ系の住民が多く、それより北側がフランス人の居住区です。

 

アキテーヌ門という凱旋門が建つヴィクトワール広場をはさんで住環境と雰囲気がガラリと変わります。

 

カフェのお酒の値段もかなり違います。

 

ぼくはどちらでも対応できますが、観光客は的確に状況を読み取り、あまり駅周辺には近づきません。

 

その境目にあるカプサン市場を覗くと、夏休みで閑散としていました。

 

お父さんの横で一生懸命働く娘さん、きれかったなぁ~(^^)/

 

 

かつての貯蔵庫を利用したワイン&ネゴシアン博物館は面白かった。

 

ネゴシアンとはワイン商人のことです。

 

銘醸ワインのボトルがズラリと……。

 

ワイン通の人にはたまらないでしょうね。

 

こんな展示もありました。

 

グラスでワインを味わえば天使になるが、ボトルをグイ呑みすると、悪魔に変身する……。

 

うーん、心当たりがあるので、自戒せねば~(^_-)-

 

 

そうそう、街中で意外なシールも見ました。

 

懐かしいですね。

 

 

ヒョウ柄ならぬ、トラ柄の服を着たおばちゃんもいました。

 

 

閑話休題――。

 

見学を終えると、白と赤ワインを試飲。

 

量が少なく、ひと口で飲み干しました(笑)

 

ボルドーにも、もちろんガリア人が定住していました。

 

アキテーヌ博物館で目にした「ケルトの笑う人物像」は実にほほ笑ましい。

 

何でも街の中心部のグランドホテルの駐車場で発見されたとか。

 

ボルドーに来て、シャトーを見物しない手はない。

 

でも、個人で訪れるには事前にきちんと予約を入れておかねばなりません。

 

そんな邪魔くさいことはできないので、観光案内所のシャトー・ツアーに参加しました。

 

1人、34ユーロ(約4700円)。

 

5時間かけて、2か所を大型バスで巡ります。

 

サンテミリオンに行きたかったのですが、目的地はボルドーの南東に位置するルピアック(Loupiac)地方でした。

 

ガロンヌ川上流の右岸です。

 

Chateau de CrosChateau Langoiran

 

どちらのワインナリーも中国とアメリカが最大の輸出国です。

 

ツアーの参加者約70人のうち、20人ほどが中国人でした。

 

日本人はぼくたち夫婦と子供連れの若い夫婦だけ。

 

中国の人は試飲の時、よぉ飲んではりましたし、ワインもよぉ買うてはりました。

 

ガイドのフランス人女性はフランス語と英語で案内してくれましたが、そのうち中国語の説明が入りそうな予感がしています。

 

緩やかな丘陵地に累々と広がるブドウ畑。

 

のどかです。

 

そんな中で口にするワインはほんまに最高でした~!

 

旅の疲れがいっぺんに吹き飛びました。

 

トレビアン~(^_-)-

-フランス南西部紀行(2014年夏), 未分類

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。