バスク地方。
非常に気になる地域です。
大西洋のビスケー湾に面しており、ピレネー山脈をはさんでフランスとスペインの両側にまたがっています。
総人口は約260万人。
バスク人は独特な言語を持ち、そのルーツがいまだによくわかっていません。
フランス語でバスクはBasque.
しかしバスク語ではEuskal.
全然、ちゃいますね~((+_+))
安土桃山時代に日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエル、キューバ革命の英雄チェ・バレラもバスク人です。
トゥールーズから列車でフランス・バスク地方の中心地バイヨンヌに向かったのですが、聖地ルルドを通過したあと、ポー駅で代行バスに乗り換えました。
架線の保全工事みたいでした。
バイヨンヌに降り注ぐ陽光は、地中海のそれとは異なり、エネルギーが弱い。
アドゥール川とその支流のニーヴ川を抱える町並みは存外に瀟洒。
それほど違和感はなかったです。
しかし街の表記がフランス語とバスク語で併記されており、バスク「国旗」も翻っています。
バスク博物館に入ると、祭りのときに変身する衣装(秋田のナマハゲ!)やバスク特有の文化遺産をいっぱい目にすることができました。
いかにもケルトらしい人物像をあしらった十字架がありました。
この辺りにも紀元前2世紀ごろには10数部族のガリア人が定住していたので、その影響かなと思いましたが、これは18世紀に「流行」した磔像とのことでした。
バスクといえば、食です。
グルメが多いので有名ですね。
ここバイヨンヌの生ハムには吃驚しました。
イタリアの薄っぺらい生ハムなんて論外、スペイン・イベリコ豚のセラーノのようにパサパサしていない。
信じられないくらいジューシーで味も濃厚。
めちゃめちゃ美味い!!
これだけで十分、主食になります。
ほんま、生ハムの概念がコロッと変わってしまいました。
肉屋さんも多いです。
バスク風の鶏の煮込みは定番料理ですね。
ピレネー山脈に登って、スペインを見下ろしたい。
そう思って、ラ・リューヌ山(標高905メートル)へレッツゴー。
アプト式の登山電車でガタンゴトン、ガタンゴトン……。
しかし頂上は雲がかかっており、一面、真っ白。
視界は5メートルくらいで、当然、下界は見えなかった。
仕方がないです。
そこでスペインとの国境アンデイ(Hendaye)へ向かいました。
ビダソワ川の向こうがスペインのイルンの町。
教会の尖塔がはっきり見えます。
駅から歩いてイルンに足を向けている人が結構、いました。
バスク人にとっては、スペインもフランスも関係ありません。
たまたま国籍がそうなっているだけです。
なぜか感慨深くなりました。