文化の香りが漂うエストニアのタルトゥからバスで首都タリンへ向かった。
2時間20分のバスの旅。車窓の光景は草原と森ばかりで、単調と言えばそれまでですが、信じられないほど緑が多いなぁと感心しきり。眼にも優しかったです。
世界遺産に登録されているタリンについては後ほどふれることにし、旅は西へと進みます。
タリンのバスターミナルから西海岸のハープサルという町へ行きました。その道中も緑いっぱいでした。
ハープサルは13世紀にドイツ人に支配され、のちにスウェーデン人が多く住み着き、バルト的な雰囲気があまり感じませんでした。
家の造りもどことなく北欧風で……(といっても、北欧にはまだ行ったことがないので、裏を取っていませんが)。
町の真ん中にある「僧正の城」(13世紀後半)という名の城址を見物し、北側に伸びる岬を一周しました。
この町には人が住んでいるのかと思わせるほど、だれにも出会いませんでした。
静まり返っています。曇天とあって、ひじょうに寒々しい。
まぁ、エストニアの総人口が135万人ほどですから、とにかく人が少ないです。
そんななかビーチで泳いでいる人を見かけました。
海水に手を浸すと、指先がかじかんでしまったほど水が冷たかった~!!
泳いでいる人はよほど体温が高いにちがいない。
途中、海岸沿いのプロムナードに意味ありげな石のベンチがありました。
ここにチャイコフスキーが坐っていたというのです。そう、ロシアのあの著名な作曲家です。
この先に温泉があって、ホテルや療養施設が建っています。エストニアではかなり知られた温泉とか。
その割には観光客が少なすぎる……。夏のシーズン真っ盛りというのに。不況の影響なのかな?
1867年の夏、チャイコフスキーがここに保養に来て、夕方になるとこのベンチに腰をおろし潮風に当たっていたそうです。
ぼくも坐りました。が、お尻が冷え、すぐに立ち上がりました。
このベンチに坐るために、わざわざハープサルに来たわけではありません。
明日、ヴォルムスィ島へ渡るのです。
どうしてそんな僻地の島へ行くのか。それはぼくの執筆テーマの「ケルト」と大きく関わっているからです。
次回、きっちり報告します。
バルト3国レポート(16)~
投稿日:2010年3月7日 更新日:
執筆者:admin