城島の阪神入りが決定しました。すごい戦力になるのはまちがいないです。矢野や若手の狩野のことが心配ですが、まぁ、しゃーないか……。出来レースというのがちと気になりますな~。
きょうはドラフトですね。くじ運の弱い阪神に天使が微笑むか~。
(c)2009 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
で、まったく阪神とは関係がありませんが、ぼくの映画エッセーを紹介します。ロックやポップが花盛りだった1960年代のイギリスの物語。『パイレーツ・ロック』です~♪♪
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ビートルズが来日した1966年。ご当地イギリスでは、船上からポップ・ミュージックを流し続ける海賊ラジオ局がいくつもあったという。それを題材にした群像ドラマだ。
萌芽したロックに若者たちが熱狂していたが、BBC(英国営放送)は限られた時間しかポピュラー音楽を放送しない。鬱積する欲求を満たそうと、8人のDJが法網をかいくぐり、沖合に停泊する船から24時間、旬のサウンドを電波に乗せる。
船内は解放区だ。サイケデリックなケバケバしい服装に身を包んだ彼らは社会に背を向け、自由奔放に生きている。ザ・フーの「無法の世界」やローリング・ストーンズの「夜をぶっとばせ」などヒットチャートを賑わせた54曲が懐かしく、あの時代の空気をストレートにぶつけてくる。
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そんな別世界に、喫煙とドラッグで高校を退学させられた少年カール(トム・スターリッジ)が更生目的で乗船する。海賊局を潰そうと躍起になる大臣(ケネス・ブラナー)との“格闘”を絡ませ、少年が成長する姿を綴っていくのだが、リチャード・カーティス監督の演出はロマンチック・コメディー「ラブ・アクチュアリー」(2004年)で見せた洒脱さを欠き、少しまどろっこしい。
ラジオ局のオーナーに渋さが売りのビル・ナイを、アメリカ人DJに名優フィリップ・シーモア・ホフマンら演技派を起用しているのに、登場人物1人ひとりが浮き上がっており、群像劇としてはちと弱い。船という閉ざされた空間を意識しすぎたのか。それとも郷愁を追い求めすぎたのか。
お上に盾つくアウトローたちの無謀な行動は反権力の象徴に映る。しかし無邪気さと楽天主義が際立ち、底抜けに明るい。だから可愛くて仕方がなかった。2間15分。★★★(見応えあり)*公開中
☆日本経済新聞2009年10月23日夕刊『シネマ万華鏡』。ブログへの掲載を許諾済み。無断転載禁止
1960年代の息吹~イギリス映画『パイレーツ・ロック』
投稿日:2009年10月29日 更新日:
執筆者:admin