武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

スリランカ紀行(2019.4.1~4.10)

スリランカ紀行(9)9日目~4月9日

投稿日:

今日が実質的に最後の日。

午前中、コロンボ最大の仏教寺院、ガンガラーマ寺院を参詣しました。

ここに来たのは初めて。

都会の喧騒から隔絶された聖域です。

バラエティーに富んだ仏像の数々、さらにヒンドゥー教、大乗仏教、古来の民間信仰を採り入れた寛容さに何よりも驚かされました。

クラシック・カーや骨とう品も展示されてあるんです~👀

ちょっとけったいな感じです(笑)。

このあと、コロンボ国立博物館と自然史博物館を見学。

国立博物館は存外に充実していました。

この建物は、大英帝国植民地時代のセイロン総督府でした。

社会見学する児童と生徒がほんとうに多かった。

このあと、気温34度の炎天下、歩いたり、三輪タクシー(トゥクトゥク)に乗ったりして、コロンボの街を散策。

独立記念ホールは、1948年、150年にもおよぶイギリス支配から独立した証しともいうべき建造物です。

庶民的なペター地区は人、人、人で沸き立っており、猛烈に「昭和」の息吹を発散させていました。

これぞアジアの活力ですね!

歩き疲れたので、インド洋(アラビア海)に面した海岸沿いの高級リゾートホテルでビール・タイム。

リゾートホテルは大嫌いと言いながら、こういう時だけ用するんです~😉

何せ、お酒事情が悪いですからね~😣

このホテル、イギリス人ばかりで、ユニオン・ジャックがこれ見よがしに玄関前に翻っていました(笑)

☆   ☆   ☆   ☆   ☆

スリランカを初めて訪れたのは1989年の初冬でした。

古巣新聞社の科学部記者の時で、翌年に大阪で開催される「花と緑の博覧会」(花博)の連載のための取材でした。

スリランカ内戦の真っ最中。

北部では激戦が行われていました。

山間部へ野生植物保護活動の取材をしに行った時、政府軍兵士が護衛してくれたのを覚えています。

とにかく不穏な空気が漂い、物騒でしたが、民間レベルでは穏やかな日常が営まれているのがよくわかりました。

このとき、波長が合うなとピンときました。

2回目はその3年後、内戦が下火になってきた1992年の夏、プライベートでシギリア・ロックや各地の仏教遺跡を巡りました。

完全にスリランカにハマり、同時に、この国に多大なる影響を与えたインドにもいつの日か絶対に行こうと決意。

2009年、内戦終結宣言が出され、以降、スリランカは元の平和な国に戻りました。

そんなわけで、今回、27年ぶりの再訪となったわけですが、何よりも国の発展ぶりに驚きました。

ひたひたと活力を感じ、すべてにおいて一皮剥けたといった印象です。

国土が美しくなっていました。

都会、田舎を問わず、ゴミをあまり目にしないのです。

コロンボやゴールといった都会は、日本の都会とあまり変わりません。

みなスマホを手にして、若者は最新ファッションに身を包んでいます。

ごちゃごちゃしている地域はインドと同じ空気感を発していますが、それでもどこか垢抜けしているんです。

この国は伸びていくと思います。

今回の旅で、タミル人が暮らす北部と北東部以外はすべて「制覇」できました~(笑)。

北部と北東部は基本、2回訪れている南インド・タミルナドゥ州と民族、文化、宗教(ヒンドゥー教)、言語、風習が同じなので、パスします(笑)。

シンハラ人、タミル人、ムスリム(イスラム教徒)、バーガー(白人との混血)と民族、宗教問わず、多くの人とご縁ができました。

最南端デウンダラ岬で「イェーッ~❗」と絶叫するのが主目的の旅だったとはいえ、信じられないくらい素晴らしい付加価値がつき、ぼくの人生に大きな彩りが添えられました。

気取った「よそ行き」の旅よりも、とことん「地べた志向」の旅。

そこに旅の醍醐味があるように思います。

それを実践すると、プラスの人脈ができることも改めて実感しました。

ぼくは訪れた国はどこも好きになってしまいます~😁

スリランカは3回目なので、超好きになりました~❤(笑)

毎回、思うがままに綴ったスリランカ・リポート。

ガイドブックやテレビでは紹介されていないスリランカの今の「素顔」をアップしたつもりです。

「スリランカってこんな国なんや~❗」

「いっぺん行ってみたいな」

「思っていたのと全然、ちゃうやん」

「気になる国やな~」……。

そう思っていただければ、幸いです。

ほんまに居心地のええ国やと思います。

国民が穏やかで、治安もめちゃええです。

そろそろアラビア海に夕陽が沈みます。

いつ見ても、感動ものです❗

モヒートを味わってから、そろそろ空港へ向かいます。

ええ塩梅ですな~🙆

☆   ☆   ☆   ☆   ☆

夜半、コロンボ市内から空港までエアポート・バスで行くつもりだったのに、どういうわけか、運休していました(何でやねん~❗)。

三輪タクシー(トゥクトゥク)を利用するしかしゃあないと思っていたら、1人旅をしているオーストラリア在住の香港人女性(銀行員)とバッタリ会ったのです。

料金を折半することで、彼女と同行しました。

安ついた~❗(笑)

シャキシャキの彼女、Fairyという名前なんです。

ほんま、妖精に思えましたわ~😉

日本のラーメンの話でえらい盛り上がりました~⤴⤴

あっという間に、旅が終わりました。

「えらいこっちゃ!」はいろいろあったけれど、大きなトラブルもなく、つつがなく旅を終えることができそうです(まだ帰国していませんから)。

-スリランカ紀行(2019.4.1~4.10)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。