武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

スリランカ紀行(2019.4.1~4.10)

スリランカ紀行(5)5日目~4月5日

投稿日:2019年4月12日 更新日:

この日はいろいろ刺激的なことがありました。

ぼくは海外に出向くと、高級ホテルとは全く無縁で、たいがい中級ホテル、民宿、ゲストハウスを利用しています。

リゾートホテルなんて、お金を積まれても、ノー・サンキュー(笑)。

イギリス、アイルランドではもっぱらベッド&ブレックファスト、ヨーロッパ大陸ではペンションか家族経営のプチホテルに泊まっています。

せっかく異国に来たのだから、たとえ観光客という〈一見のよそ者〉であっても、できる限り、現地の息吹きに触れたいと思っているからです。

バスや鉄道を利用するのもそのため。

ゆめゆめお金をケチっているわけではないんですよ~(笑)。

まぁ、高級ホテルは、日本でも泊まれますからね(笑)。

スリランカでは、中級ホテル、ゲストハウスは現地の人が宿泊しはります。

それと白人観光客も。

インドでも同じです。

地方に行けば、あちこちにあるので、飛び込みで🆗~。

昨夜、泊まったマータラのゲストハウスは居心地よかったです。

中庭があり、天井には扇風機(定番です❗)、そしてベッドには蚊帳が吊るされていました。

蚊帳の中で寝るのん何年ぶりやろ。

ウキウキしますね~⤴

室内がクリーン。

インドよりスリランカの方が清潔好きの人が多いのかな?

肝心のシャワー&トイレは、いたって簡素です。

シャワーは温水になるまで5 分ほどかかったけど、朝から30度なので、水のシャワーの方が気持ちええですよ。

トイレは、外国人宿泊者のために一応、トイレットペーパーがついています。

ほくは必ず日本からトイレットペーパーを持参します。

何かと使い勝手が良く、ほんまに重宝します~😁

日本ではどこでもウォシュレットですよね。

それに慣れているので、ヨーロッパに行くと、何か不快に感じますよね(笑)。

でも、インド、スリランカでは手動のウォシュレットが完備されています。

これ、便利です。

あとはトイレットペーパーを使って終わり。

あぁ、気持ちがええ~😁

昨夜は、ゲストハウスの中庭で、ぼくが香港空港で買ったウイスキーをスリランカ人の宿泊客(銀行員)とちびちびやりながら、談笑していました。

こういうのは「地べたの旅」でしかできませんからね。

だから、ハマってしまうんですわ。

ゲストハウスは基本、朝食なしで、素泊まりです。

昨夜の宿泊費は日本円に換算して、1200円。

非常にコスパがええと思います。

☆    ☆   ☆   ☆   ☆

これは今だに信じられないことなんですが……。

マータラの町のゲストハウスをチェックアウト後、バス・ターミナルで次の目的地、ティッサマハーラーマ行きのバスに乗りました。

発車した途端、何か違和感が……。

すぐにピンときました。

リュックサックを背負ってきてなかった❗❗

えらいこっちゃ~❗

宿のロビーに置いたままやったんや。

何でこんな事態に?

他の事を考えてたんでしょうかね。

それとも連泊と思い込んでいたのでしょうか。

こんな形の忘れ物、初めてですわ。

ボーッと生きてんじゃねぇよ❗~とチコちゃんに叱かれますな、ほんまに~😅

あわてて運転手に「下ろしてちょうだい」とお願いし、バスから下車。

この場合、リュックのある場所がわかっているので、全く慌てる必要がありません。

「おれはアホやな~」とつぶやきながらゲストハウスの方へ歩を進めていると、向こうからバイクが猛然と突進してきました。

見ると、宿のご主人やおまへんか。

わっ、リュックを背負ってはるわ~❗

大きな忘れ物に気づき、バス・ターミナルまで運んで来はったんです。

ありがたい❗

ご主人、ぼくの顔を見るなり、呆れ顔でゲラゲラ笑うてはりました。

「あんたみたいな宿泊客、初めてや」

そんな表情がありあり~😅

これは笑い話ですね(笑)

☆    ☆   ☆   ☆   ☆

ティッサマハーラーマに到着後、スリランカ最大の聖地カタラガマにやって来ました。

ちょっと内陸部に位置しています。

ここはあらゆる宗教を超越した信仰の場です。

元々は先住民ヴェッダー族の山岳信仰から派生し、そこにヒンドゥー教と仏教が入り、一大聖地になったそうです。

カタラガマの名は、ヒンドゥー教のシヴァ神の息子(次男)、スカンダに由来すると言われています。

スカンダは別名ムルガン。

仏教に取り込まれ、日本では韋駄天と呼ばれています。

あのスプリンターの神さんです~🏃💨

ちなみに、シヴァ神の長男がゾウの頭を持つガネーシャ(南インドではガナパティ)。

カタラガマの広大な境内には、数え切れないほどのお猿さんが居着いていました。

ぼくと目が合うと、瞬時に視線を外します。

気が弱いのでしょうかね(笑)

でも、神域に入る際サンダルを脱いでいた時、危うくスマホを盗まれそうになりました。

油断できまへん~😅

他にインドで見たのと同じ牛、ワンちゃん、リス、そして特大トカゲ……。

みな互いに邪魔をせずに共存しています。

川で沐浴している人も。

毎日、3回行われる「礼拝の儀式(プージャ)」には全土から訪れる巡礼者でたいそう混み合うそうですが、今はそのはざまの時間とあって、参拝者が少なく、不気味なほどの静寂が漂っていました。

スリランカの人口は約2100万人。

そのうち、北インドにルーツを持つアーリア系のシンハラ人が75%で、ほとんどが仏教徒(上座部仏教)。

「シンハラ」とは、伝説上、「ライオンの子孫」という意味らしいです。

次に多いのがドラヴィダ系のタミル人(15%)で、大半がヒンドゥー教徒です。

彼らは南インドからの移住者と紅茶プランテーションのために大英帝国によって強制的に連れて来られた人たち。

タミル人は北部、東部、山岳地帯に暮らしており、その文化、言語、風習は南インドのタミルナドゥ州と全く同じです。

あとは、ムーア人&マレー人が10%(イスラム教徒)、そして残りがバーガーと呼ばれる西欧人との混血(大半がカトリック)。

シンガポール、マレーシアなどと同じく、多様性に基づいて国家が成り立っているわけです。

多様性が当たり前。

それを民族的、宗教的な原理主義の視点から見るのは愚の骨頂だと思います。

世界はどこも多様性で息づいています。

寛容なる精神で、互いに違いを認め合い、理解し合う。

それに尽きると思います。

時として軋轢が生じて紛争が起きるのがほんまに悲しいです。

ちょっと熱く語ってしまいました~😅

スリランカの言語はシンハラ語、タミル語、英語が公用語。

なので、表記もそうなっています。

上からシンハラ語、英語、タミル語

上からシンハラ語、タミル語、英語

英語(ブリティッシュ・イングリッシュ)が共通語で、ほんまによぉ通じますよ。

この聖地カタラガマは各宗教を超越しているとはいえ、限りなく仏教色が強いです。

しかし、ヒンドゥー寺院とモスクもありました。

ご神体(ご本尊)は、奈良の三輪大社と同様、この地そのものです。

どの祭壇に祈願してええのか分からなかったので、とりあえず身近な仏さんにお頼みしました(仏教では現生利益を願いませんから、ほんまはおかしいんですが)。

最初の願い事、わかりますか?

「阪神の連敗、ストップしますように~❗」

どうやら願いが通じたみたい~(^-^)v

☆    ☆   ☆   ☆   ☆

旅をしていると、想定外の展開があってめちゃめちゃ面白いですね。

実は、マータラからティッサマハーラーマ行きのバスに乗っていた時、ぼくの隣に座った男性がサファリ・ツアーのドライバーだったんです。

名は、チトゥ。年齢、30歳。

いろいろ話しているうち、波長が合い、結局、全く念頭に置いていなかったサファリ・ツアーに申し込みました。

「野生の豹を見れるかもしれませんよ」

この言葉が決定打になりました。

近くにヤラ野生動物国立公園があるんです。

動物園やテレビでは目にしたことがあるけれど、野生の豹は未見です。

これはグッド・チャンス❗

チトゥさんがホテルまで紹介してくれ、そのうえツアー会社の仲間と飲みに行こうということになり、夜半、屋外のレストランで酒盛りをしちゃいました~🍻

いゃ~、楽しかった❗

ビールとアラックでえらい盛り上がりました。

こういうノリは理屈抜きにオモロいですね~🙆

But, サファリ・ツアーのゲストハウス迎えの時間が明朝の午前4時~❗

(ぼくも彼も)起きれるんやろか……😅

-スリランカ紀行(2019.4.1~4.10)

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。