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2月 22

愛に包まれたアメリカ映画『ビール・ストリートの恋人たち』(本日公開)

愛の純粋さを高々と謳い上げた心温まるラブ・ストーリー。

不条理な社会的抑圧に断固、屈しないアフリカ系アメリカ人(黒人)のカップルと家族に寄り添いたくなる、そんな愛おしい映画だった。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

監督は、孤独な青年の生き様を綴った『ムーンライト』で一昨年のアカデミー賞作品賞などを受賞したバリー・ジェンキンス。

1970年代のニューヨーク・ハーレムの物語である。

19歳のティッシュ(キキ・レイン)と22歳のファニー(ステファン・ジェームス)は幼なじみで、恋人でありながら親友のような間柄。

互いに信頼し合い、強い絆で結ばれている。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

愛を育む2人を捉えた映像はことの外、甘美。

往年のヒット曲『やさしく歌って』など柔らかく繊細なサウンドに包まれ、カメラが浮遊するように自在に動く。

長回しも効果的だった。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

幸せの絶頂にある彼らに想定外の出来事が起きる。

全く身に覚えのないレイプの罪でファニーが逮捕、監禁されたのだ。

まだまだ黒人差別の激しい時代、いかに無実を証明できるのか。

ここで浮上するのがティッシュの家族。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

とりわけ母親シャロン(レジーナ・キング)の奮闘ぶりが際立つ。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

愛娘のために単身、被害者女性と対峙する行動力には驚かされる。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

彼らを取り巻く状況は厳しい。

当然、怒りと抵抗が芽生える。

ロマンチックな希望に満たされた世界とは対極的。

それでも先鋭的に斬り込まないのが監督の信条なのだろう。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

「ビール・ストリートとは、ニューオリンズにある通りで、全ての黒人のレガシー(遺産)だ」

原作者ジェームズ・ボールドウィンの冒頭の言葉が本作に通底している。

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

しかしそれ以上に、人種や民族を超えた普遍的な物語に仕上がっている。

そこを高く評価したい。

1時間59分 

★★★★(見逃せない)

☆2月22日(金)より、全国ロードショー!
関西では、大阪ステーションシティシネマ/TOHOシネマズなんば/TOHOシネマズ二条/MOVIX京都/シネ・リーブル神戸/TOHOシネマズ西宮OS

(日本経済新聞夕刊に2019年2月22日に掲載。許可のない転載は禁じます)

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